6. 制度利用に対して、周囲の社員や顧客・取引先から理解や協力を得られない

制度利用においては、周囲の社員や顧客・取引先の理解や協力が不可欠ですが、中には十分な理解や協力を得られず、制度の運用に支障を来すケースもあります。
制度の運用改善に向けては、制度利用者と周囲の社員等がお互いの立場を理解・尊重しながら、求められる役割を果たすことが重要です。そのために、人事部門は、下記の【管理職・制度利用者・周囲の社員がやるべきこと】をそれぞれに明確に伝える必要があります。

また、周囲の社員の不満の背景には、長時間労働等の職場マネジメント上の課題が内在しているケースが少なくありません。こうした不満を解消するためには、職場全体の働き方の見直しを推進することも重要です。
制度利用が「お互い様」と捉えられることが、周囲の理解や協力を引き出す上で有効です。したがって、制度の設計に当たっては、自社の事情を踏まえて検討する必要がありますが、制度の対象を極端に限定せず、多くの社員が利用できるものにすることが、制度に対する当事者意識の形成につながり、お互いに理解・協力し合う環境を整備する上で有益でしょう。

管理職・制度利用者・周囲の社員がやるべきこと

制度の関係者 制度の運用改善に向けてやるべきこと 関係者への伝え方
管理職
  • 制度の趣旨や内容に関して、繰り返し説明の機会を設け、制度利用者や周囲の社員に理解してもらう
  • 長時間労働が周囲の社員の不満につながっている場合には、職場全体の働き方の見直し等によって職場マネジメントを改善する
  • 管理職に相談しやすい環境、職場の関係者同士がコミュニケーションを取りやすい環境を整備し、早目に問題の解決を図る
  • 顧客・取引先の理解や協力が得られない場合には、管理職が直接出向き、制度利用の必要性や利用期間中の支援体制等について説明し、理解や協力を求める
  • 人事部門から直接伝える
  • 管理職向けのマニュアルや研修
制度利用者
  • 制度の趣旨や内容を理解する
  • フォローしてくれる周囲の社員の立場や心情に配慮する
  • 短時間勤務の範囲で、効率的に仕事を進めるよう心掛ける
  • 管理職を通じて伝える
  • 制度の対象者・利用者向けのパンフレットや研修
  • 人事面談
周囲の社員
  • 制度の趣旨・内容を理解し、制度利用者の立場を理解・尊重する
  • 制度利用者への協力には、自分自身、さらには職場全体の生産性の向上につながる等のメリットがあることを理解する
  • 制度の対象となっている場合には、自分自身も制度を利用する可能性があることを理解する
  • 管理職を通じて伝える
  • 一般社員向けのパンフレットや研修