NTT株式会社
全社でハイブリッドワークを推奨、組織別にリモートワークの運用を規定することで柔軟な働き方を実現
企業概要
| 会社設立年 | 1985年 |
|---|---|
| 本社所在地 | 東京都千代田区大手町一丁目5番1号 大手町ファーストスクエアイーストタワー |
| 業種 | 情報通信業 |
| 事業内容 | 総合ICT事業、地域通信事業、グローバル・ソリューション事業等 |
| 資本金 | 9,380億円 |
| 売上高 | 13兆7,047億円 |
| 社員数 | 341,321名(2025年3月時点) |
| 事業所数 | 992社(国内348社、海外644社) |
制度の概要
<組織ごとにリモートワークの運用や利用頻度を規定しつつも、全社でハイブリッドワークを推奨>
- ■リモートワークを前提とする組織を、「リモートスタンダード組織」とすることで、組織単位でリモートワークの運用や利用頻度を規定している。ただし、グループ全体でリモートワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークを推奨しており、正社員、契約社員、勤務地限定正社員など全雇用区分を対象としている。
- ■リモートスタンダード組織の決定はグループ内の各事業会社が行っており、特定業務(設備故障対応、機密情報を扱う業務など)を担う部門はリモートスタンダード組織とならない場合が多い。また、リモートスタンダード組織であっても、特定の職種(秘書、災害担当、管理職等)は個別にリモートスタンダードの適用除外となったり、リモートスタンダード組織でない場合も、育児や介護などの個別事情に鑑み、リモートワークを中心とした働き方をしたりすることが可能。公募制度等を活用し、リモートスタンダード組織やそうでない組織への異動を希望することができる。
| リモートワークを基本としない部署の社員 (約13.7万人) |
リモートワークを基本とする部署1(リモートスタンダード組織)の社員(約5.3万人) | |
|---|---|---|
| 職務内容等 | セールス・SE、マーケティング、サービス・プロダクト開発、研究開発、総務・人事、財務、法務 等 | |
| 転勤の有無 | あり | |
| 労働時間 | 主にフレックスタイム制または裁量労働制 | |
| 雇用期間の定め | 無期雇用・有期雇用 | |
| 賃金 |
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| 昇進、昇格 | 上限なし | |
| 教育訓練 | あり | |
1 リモートワークを基本とする業務運営が可能な組織を「リモートスタンダード組織」とし、当該組織の社員を対象に適用。社員本人の希望や業務内容に応じ、個人単位での適用や適用除外も可能
2 リモートワーク手当は、リモートスタンダードの適用に関わらず、リモートワーク実施時に支給
制度導入のきっかけ・背景
- ■コロナ禍を経て、場所や時間に縛られない働き方を推進し、「ワークインライフ」の理念に基づいて働き方の自由度を高める必要性が生まれた。
- ■コロナ禍以前よりリモートワーク制度は存在していたが、活用が進んでいない状況であった。コロナ禍の経験を通じ、生産性の維持や定住の促進など多様なメリットが実感され、制度を強化した。
- ■2021年には新しい経営スタイルを掲げ、コロナ禍以降もリモートワークを前提としたワークスタイルが続くことを前提とした経営を行う方針としたことが、大きな推進力となった。
制度導入による効果
- ■採用競争力や定着率の向上:リモートワークの定着により、地元で働きたいニーズのある社員の採用や、地元への転居や単身赴任の解消など、社員の個別事情を踏まえた働き方を実現による定着率向上等の効果がみられている。
- ■フルタイムで働く育児中の社員の増加:時間や場所に縛られない制度により、育児休業明けのフルタイム復帰率が30%台から40~50%台へ上昇した。
- ■社員のエンゲージメント向上:自律的な働き方を実現した社員は、エンゲージメント調査で高い肯定回答率を示しており、柔軟な制度が社員の働きがいに好影響を与えていると考えられる。
工夫点
- ■リモートワークによる顔が見えない環境での業務に対応するため、業務内容の細やかな共有や、管理職からのコミュニケーション活性化を推進するとともに、社員間での連絡タイミングの配慮に係る呼びかけも行っている。
- ■リモートワークでは社員の体調の変化が見えにくいため、管理職や社員全体に向けて、健康面に関する意識的な配慮や発信を奨励している。リモートワークで働く際の留意点や好事例をまとめることで、働き方・健康管理における注意点を社内で周知している。
- ■個別事情(育児・介護など)に応じたリモートワークの適用に加え、組織のリモートワーク推奨度合いに関わらず、個人が柔軟にハイブリッドワーク(出社とリモートワークを組み合わせた働き方)ができるように運用している。
今後の展望・課題
- ■リモートワークやリモートスタンダードの働き方は既に定着しており、大きな方針変更は予定されていないが、働き方に関する新たなニーズに応えるため、継続的に制度改善を図りたい。
- ■社員の声をエンゲージメント調査で収集し、不妊治療休暇の新設やフレックスタイム制の適用時間の拡大(朝5時から勤務可能)など、柔軟な制度改善を進めている。
- ■社員のキャリアが自律的に形成されることを重視し、専門性を活かし活躍する事例を社内外へ発信している。グループ内公募制度等を活用したキャリア選択をさらに促進していく予定。
その他の制度
<アルムナイ採用、帯同休職、社内兼業等により、社員の継続的かつ自律的な活躍を支援>
- ■アルムナイ採用:一度退職した社員が再び戻れる仕組みを整備し、家庭や個別事情による離職を防ぎ、活躍の場を継続的に提供している。
- ■帯同休職制度:配偶者の海外転勤などで社員が退職せずに休職できる制度を設け、家庭と仕事の両立を支援している。
- ■社内兼業制度:所属組織が異なる場合でも、NTTグループ内で兼業(ダブルワーク)できる仕組みを整備することで、社員の自律的なキャリア形成を支援している。