社会福祉法人合掌苑
正職員の区分と限定正職員の区分を統合し、区分を変えず短時間勤務を選択可能に
企業概要
| 会社設立年 | 1967年 |
|---|---|
| 本社所在地 | 東京都町田市金森東3-18-16 |
| 業種 | 医療、福祉 |
| 事業内容 | 特別養護老人ホーム、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所、通所介護事業所、障がい者支援センター等の運営 |
| 資本金 | - |
| 売上高 | 27億6900万円(2025年3月時点) |
| 社員数 | 489名(2025年10月時点) |
| 事業所数 | 21事業所 |
制度の概要
<理由を限定せず、正職員の短時間勤務を選択可能に>
- ■同社では、2022年4月から正職員と限定正職員を統合。正職員は1日8時間の週40時間勤務を基本とし、育児、介護、体力低下等を理由とした短時間勤務を認めている(週30時間以上で本人希望に応じて選択)。短時間勤務を選択する理由は制限していない。
- ■正職員の約1割が、40時間未満の勤務形態で勤務している。
- ■勤務時間数については、職員と所属長との毎月の面談を通じて、本人の希望を把握している。上長との面談で例えば週35時間勤務としている場合でも、本人の希望や業務の状況に応じて、それ以上勤務することもできる。時給制のため、フレキシブルに働くことが可能である。
- ■夜勤専従正職員を設けているため、正職員については夜勤は基本的に勤務対象外としている。
- ■正職員は、65歳到達時に嘱託職員へ転換することとしている。嘱託職員は、年齢に応じて嘱託職員Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに分けられており、週当たりの労働時間の下限が小さくなる。
| 正職員(265名) | 嘱託職員(14名) | 夜勤専従正職員(21名) | パートタイム職員(146名) | |
|---|---|---|---|---|
| 職務内容等 | 介護、相談、看護、調理、栄養 | 正職員と同様 | 介護業務 | 介護、相談、看護、調理、栄養 |
| 転居を伴う転勤の有無 | 有り | 無し | ||
| 労働時間 |
週30時間から40時間 (本人の希望に応じて選択) |
Ⅰ:週30時間~40時間 Ⅱ:週24時間~40時間 Ⅲ:週20時間~40時間 |
月130時間~157時間 | 週30時間未満 |
| 雇用期間の定め | 無し(65歳まで) |
Ⅰ:65歳から70才未満 Ⅱ:70歳から75才未満 Ⅲ:75才以上 |
無し | あり |
| 賃金 |
給与:時給制 賞与:業績により 手当:扶養、住宅、資格、みなし残業、宿直、待機 |
給与:正職員時の時給 賞与:業績により 手当:みなし残業、宿直、待機 |
給与:時給制 介護福祉士は時給制 手当:夜勤手当10,000円 賞与:なし |
給与:時給制 賞与:なし 手当:資格 |
| 昇進、昇格 | 有り | 無し | 無し | 無し |
| 教育訓練 | 誕生月研修(自分の誕生月に参加する研修)他 | 正職員と同様 | 正職員と同様 | 法定研修を受講。その他、任意で誕生月研修などを受講可能 |
| 他の職群への転換制度 | 本人希望と面談を踏まえ、パートタイムに転換が可能 | 同左 | 同左 | 本人希望と面談を踏まえ、正職員に転換が可能 |
| 正規転換時の多様な正社員制度の活用 | - | - | - | 同上 |
制度導入のきっかけ・背景
- ■2022年4月以前は正職員の所定労働時間は40時間/週であった。正職員とは別に限定正職員制度が存在し、短時間勤務を希望する職員は限定正職員として勤務していた。
- ■同法人では長期にわたり勤務する職員が多く、雇用区分にかかわらず職務内容の差はなかった。正職員でも柔軟な働き方ができること、正職員と限定正職員との処遇の差を無くすことを目的とし、2022年4月に正職員の区分と限定正職員の区分を統合した。
- ■2022年4月当時は、正職員の所定労働時間は週32~40時間としていたが、2024年10月から週30~40時間に変更した。2022年当時は介護施設における職員の配置基準に、「週32時間以上勤務する常勤職員」という基準があったため、下限を32時間としていた。しかし、下限を週32時間から30時間に変更しても32時間未満を選択する職員は限定的であり、施設運営にも支障がなかったため、短時間勤務の選択の幅を広げる目的で週30~40時間に変更した。
制度導入による効果
- ■正職員と限定正職員を統合したことにより、ライフステージの変化等により短時間勤務を選択しても正職員のままで働き続けられる人が増えた。
- ■ライフステージの変化などがあった職員に対して、短時間勤務を認めることで離職を防げていることが効果として挙げられる。介護現場を含め、離職率は一桁台で推移しており、業界他社と比較しても低水準となっている。
- ■近年、業界全体で採用が一層困難になっている中で、このような取組で他施設等との差別化を図り、新規採用につながることを期待している。
工夫点
- ■グループリーダーがシフト作成の役割、職員との毎月の面談を担う。毎月のグループリーダーとの面談があることで、短時間勤務の希望や変更についても伝えやすい環境となっている。
- ■子育て等で急に早退する職員に対して、気持ちよく送り出すような組織風土づくりに近年注力してきた。接遇を高める取組、職員間のコミュニケーションを促す取組(サンクスカード)等により、徐々に組織風土が育ってきた。
- ■毎月発行する、職員向けの苑内報で制度の周知を行い、職員が短時間勤務制度を利用しやすくなるよう工夫している。また、所属長から、対象職員の状況に応じて短時間勤務の利用をアプローチするよう促している。
- ■介護施設であるため、早番、遅番の引継ぎや定期的なミーティングがある。短時間勤務の職員がいる場合も困らないように、クラウドを活用した引継ぎを徹底している。
今後の展望・課題
- ■短時間勤務を選択しても正職員として働き続けられるようにし、また、高年齢になっても働き続けられる仕組みとした。新規採用は、近年ますます厳しさを増しているが、「誰かのお世話が好きな人」をターゲットとして、「職員それぞれが目指す介護の在り方」を実現できることを目指している。