西濃運輸株式会社

勤務地エリアを限定できるローカル総合事務職を導入。
入社時点で選択可能とし採用力強化・辞退率低下

西濃運輸株式会社_01_企業ロゴ

企業概要

会社設立年 2005年
本社所在地 岐阜県大垣市田口町1
業種 運輸業、郵便業
事業内容 商業物流サービス事業
資本金 1億円
売上高 313,744百万円(2025年3月期)
社員数 17,129名(2023年4月時点)
事業所数 支店および営業所:全国主要都市約170カ所

PDFデータ

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制度の概要

<全国転勤が前提の総合事務職に、転勤をエリア内に限定するローカル総合事務職の選択肢を導入>

  • ■総合職について、全国転勤を前提としたグローバル総合事務職と、異動を特定のエリア内(全国を18に区分)に限定したローカル総合事務職の2種類がある。昇進昇格の上限はなく、管理職でも両方の職種の選択が可能。
  • ■グローバル総合事務職においては全国転勤が前提のため、場所によって勤務地手当に差が生じないようになっている(都内かそれ以外かによって、手当の額は2区分)が、ローカル総合事務職においては基本エリア内の異動に限定されるため、エリアによって手当額が異なる(配属先により手当の額は5区分)。
  • ■グローバル総合事務職からローカル総合事務職への転換について、社員はエリアの希望と合わせて申請を行う。申請時期は定められておらず、随時申請を受け付けている。エリアの希望は原則採用され(受け入れ先の状況によっては、希望エリアの周辺となる可能性はあり)転換時期についても社員の希望を加味して調整される。一方、幹部候補としての特性を持つグローバル総合事務職への転換については、書類選考および役員面接を実施する。
グローバル総合事務職
(約800名)
ローカル総合事務職
(約400名)
職務内容等 営業・管理・労務・総務・人事・経理・品質管理・倉庫管理等
転勤の有無 転居を伴う転勤の可能性がある 転居を伴う転勤の可能性がある(基本的には希望するエリア内のみ)
労働時間 フルタイム勤務(8時間/日)
雇用期間の定め 無期雇用
賃金 基本給:役職、職歴を踏まえ決定
賞与:業績と人事考課の結果で支給額を決定
手当:勤務地手当(都内かそれ以外かの2パターン)、役職手当、住宅手当、家族手当、残業手当
基本給:同じ役職・職歴のグローバル総合事務職への支給額を基に、一定の割合を減じた額を支給
賞与:グローバル総合事務職と同一の方法で支給額を決定
手当:勤務地手当(配属先による5パターン)、役職手当、住宅手当、家族手当、残業手当
昇進、昇格 上限はない
教育訓練 階層別研修などを実施

制度導入のきっかけ・背景

  • ■2022年秋より、総合事務職にグローバル総合事務職/ローカル総合事務職の区分を導入した。
  • ■2025年春より入社時点(内定後)の全国型/地域型の選択を導入した。グローバル型とローカル型に採用人数の枠を設けることや、どちらを選択したかを合否に反映するといったことはしていない。2025年春に入社した社員のうち、ローカル総合事務職を選択した社員は総合事務職として入社した社員の2割程度であり、想定より偏りはなかった。
  • ■それまでは基本全国転勤の職種のみだったが、転勤範囲を限定した働き方へのニーズがあり区分の導入に至った。業界全体で人材確保が難しくなっており、採用力強化が必要だった。
  • ■「勤務地選択式にしてほしい」、「制度的な裏付けがないにもかかわらず、『配慮』の範囲で異動の有無や頻度等に差が生じているように思われる」等の声が上がった。制度として区分を設けて処遇にも差をつけることで、限定を希望する社員も、希望を明確に表明しやすくなった。
  • ■2023年春からグループ会社と統合した。統合前はそもそも事業所範囲が限られていたために転勤範囲が実質限られていたという会社もあったが、統合によって転勤範囲が広がってしまうため、その対応として制度を導入した。

制度導入による効果

  • ■キャリアに関して選択肢が増えたことで、社員がこれまでよりも主体的にライフステージに合わせたキャリアプランを考えやすくなっていると考える。
  • ■採用力強化について効果を感じている。就活生への説明会においては、必ず制度導入について説明した。新卒で総合事務職を毎年50名前後採用しているが、エントリー数の低下および辞退に悩んでいた。2025年の4月に新卒入社した社員で、ローカル総合事務職を選択した者が2割程度いたことを踏まえると、職種の選択ができたからこそ入社してくれた層がいたということと捉えている。また、制度導入によって辞退率も改善した。

工夫点

  • ■制度導入の準備段階における工夫
    • ・総合事務職に対して、毎年1月に家庭等の情報を自己申告してもらう機会がある。導入前に制度に対するニーズ(ローカル総合事務職を希望するか否か等)は聴き取り、どの程度の人数がローカル総合事務職を希望する見込みか把握した上でエリア区分や処遇の検討を行った。
    • ・制度導入前に社員に対する説明会を実施した。また、各エリアを担当する執行役員に制度内容や趣旨を説明した上で、各エリア・部署内で制度が周知されるようにした。社内のイントラネットを用いた詳細の周知も実施した。
  • ■運用における工夫
    • ・エリアは全国で18に区分しており、特に支店や営業所が多い東海地区、関西地区では細かな区分となっている。ローカル総合事務職を希望する社員からは「関西地方であれば良い」といった声も多いため、限定について「エリア+その隣接エリア」という幅の持たせ方をしている。特定のエリアのみを希望する方を無理に周辺に配置することはないが、各自の希望を踏まえて調整を行いやすいようにしている。
  • ■制度の検討、導入に向けた準備は人事部人事課が、制度改定の検討に際して処遇の関連は人事部労務課が検討・対応した。制度導入後、転換等は人事課が対応している。人事課、労務課ともにそれぞれ6~7名の社員から成る部署である。

今後の展望・課題

  • ■グローバル総合事務職を選択したが、実態としてはまだ転居を伴う異動は無い、という社員もいる。定期的に異動が生じる職種ではあるため、時間が経過するとともに解決するとは思うが、グローバル総合事務職とローカル総合事務職の間には処遇の差があるため、雇用区分の選択と実態を合わせていくための工夫を続けていく必要があると考える。