セガサミーホールディングス株式会社

企業概要
会社設立年 | 2004年 |
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本社所在地 | 東京都品川区西品川一丁目1-1 住友不動産大崎ガーデンタワー |
業種 | その他サービス業 |
事業内容 |
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資本金 | 299億円 |
売上高 | 4,678億円(2024年3月) |
従業員数 | 516名 |
従業員体系 |
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事業所数 | 国内1か所 |
制度の概要
<社員が働く場所を選択できるセレクトロケーション制度(社員が事業所所在地から離れた場所での勤務を選択可能とする例)>
- ・対象者は総合職のうち、常時リモートワークが可能な業務に従事する正社員である。
- ・制度の適用対象は主に、自身の傷病、育児、介護等のやむを得ない事情がある社員を想定している。
- ・制度の適用期間に上限はない。
- ・本人が所属部門の上長に申請し、部門長が決裁を行う。
- ・通年で申請が可能で、申請の翌月から適用開始する。
- ・制度の適用を終了する(再転換する)場合の手続きも、制度の適用開始と同じである。
<社員が働く場所を選択できるセレクトタイム制度(社員が勤務時間を1日あたり4時間まで短縮することを選択可能とする例)>
- ・勤務時間を1日あたり4時間まで短縮することができる。
- ・対象者は、以下を除く直接雇用の社員である。
- ・正社員のうち、
- ①入社1年未満の者
- ②休業申出のあった日から起算して1年以内に雇用等契約関係が終了することが明らかな者
- ③1週間の所定労働日数が2日以下の者
- ・契約社員のうち、
- ①育児事由で適用を希望する場合、申し出時点で、子が1歳6ヶ月(状況に応じて2歳)に達する日までに雇用契約関係が終了し、更新されないことが明らかな者
- ②介護事由で適用を希望する場合、休業開始予定日から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな者
- ・正社員のうち、
- ・育児、介護等の事由において適用が可能である。
- ・介護を事由として適用する場合は、5年間まで適用が可能で、4回まで分割して適用することができる。育児を事由とする場合は、子供が小学校3年生を修了するまで適用できる。
- ・本人が部門上長経由で、人事に申請する。
- ・介護事由の場合は適用の2週間前まで、育児事由の場合は適用の1か月前までに申請し、適用開始する。
- ・制度の適用を終了する(再転換する)場合の手続きも、制度の適用開始と同じである。
掲載事例 | 正社員(516名) | ||
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総合職 | セレクトロケーション制度
(社員が働く場所を 選択できる制度) |
セレクトタイム制度
(短時間勤務) |
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職務内容等 |
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転勤の有無 |
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労働時間 |
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雇用期間の定め |
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賃金 | ― |
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昇進、昇格 |
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教育訓練 | ― |
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制度導入のきっかけ・背景
<セレクトロケーション制度>
- ■2018年頃に、同社の平均年齢が40歳程度となったことに伴い、介護を担う社員の増加やそれに伴う離職者の増加が想定されたため、「介護と仕事の両立が可能な環境づくり」に会社として取り組むこととした。
- ■また、コロナ禍によってリモートワークの利用がさらに活発になり、問題なく運用ができたことも取組を後押しした。
<セレクトタイム制度>
- ■2022年4月から適用を開始した。2022年以前にも短時間勤務制度は設けていたが、当時は短縮できる時間が2時間までであり、介護や育児の事由が生じている社員とって、2時間の短縮では十分ではないケースが生じていた。そのため、両立支援のため、短縮できる時間を1日2時間から4時間に変更した。
- ■また、勤務時間中に、家庭での緊急対応が必要になった場合も考慮し、勤務時間中の中抜けも可能とした。(勤務時間中の中抜けに関する制度は、のちに全社員向けに適用)
- ■同時に制度の名称を「セレクトタイム制度」に変えて、全社的な浸透を図った。
制度導入による効果
<セレクトロケーション制度・セレクトタイム制度>
- ■介護などのライフイベントは誰にでも突発的に生じる可能性があり、多くの社員が仕事との両立に対する不安を抱えながら働いていると考えられる。セレクトロケーション制度は、そうした不安を軽減し、社員に安心感をもたらす役割を果たしている。
- ■例えば、家族の介護を理由に本制度を活用している社員は、適用前は「業務を通じて会社に貢献したい」という思いと、「親孝行をしたい」という思いの間で悩み、両立の方法を模索しながら働いていた。しかし、制度の適用により、仕事と介護の両立が可能となり、安心して勤務を継続できるようになった。
- ■このように、ライフイベントに柔軟に対応しながら働き続けられる環境が整うことで、社員の業務への意欲向上や離職防止に寄与していると考えられる。
工夫点
- ■柔軟な制度の運用
介護は突発的に発生するケースが多く、状況に応じて柔軟に働き方を調整できることが重要であると考え、セレクトロケーション制度の申請および適用を通年で可能としている。
また、介護などのやむを得ない事情によって働き方を調整する社員が不利益を被らないよう、制度適用者と他の社員との間に待遇差を設けない運用としてい る。 - ■制度の周知と情報提供
社内VTuberを活用し、介護に関する情報や社内制度の発信を行うことで、制度の周知・浸透を図っている。配信内容には、地域包括支援センターの紹介や介護保険サービスの概要・費用など、公的な支援制度に関する情報も含まれ、介護に直面した社員や不安を抱える社員の安心感につながっている。 - ■社員のニーズ把握と制度の見直し
社員のニーズを的確に把握するため、人事部が年に1回実施する「キャリアアンケート」を通じて、キャリアに関する希望(異動希望の有無、希望する異動先・時期のイメージなど)、ダイバーシティに関する状況(女性活躍推進や働き方に関する意識・課題など)について把握している。アンケート回答者は人事部との面談を希望できるほか、内容に応じて人事部から面談の声かけを行う仕組みとしており、社員の実情を丁寧に把握する体制を整えている。
さらに、キャリアアンケートの結果をインプットとして、毎年、制度の見直しや周知・浸透策の検討を実施。また、部門長からの情報収集や、個々の事情が発生した際のヒアリングを通じ、タイムリーな対応を行っている。 -
■制度導入時の協議プロセス
制度の検討・導入にあたっては、社員代表と協議を行い、合意を得た上で実施した。
今後の課題
- ■セレクトロケーション制度は運用を開始したばかりであり、現時点では社員のニーズにどの程度応えられているかは明確ではない。そのため、キャリアアンケート等を活用し、社員の意見を継続的に収集するとともに、導入効果を分析し、制度の改善を進めていくことが重要であると考えている。
- ■現在の適用実績は介護を理由とした利用に限られているが、今後はその他の事由での活用事例を増やし、より幅広いニーズに対応できる制度へと発展させていきたい。