株式会社阿波銀行

企業概要
会社設立年 | 1896年 |
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本社所在地 | 徳島県徳島市西船場町二丁目24番地の1 |
業種 | 金融 |
事業内容 | 普通銀行業務 |
資本金 | 234億円 |
売上高 | 761億円(連結) |
従業員数 | 1,316名(2024年3月時点) |
事業所数 | 全国105店舗 |
制度の概要
<転勤可否を選択可能な「自己申告制度」(転勤の有無による雇用管理区分を廃止し、全正社員に転勤可否を選択可能とする例)>
- ・総合職コース、専門職コースの社員を対象に、転居を伴う転勤の可否を選択可能としている
- ・「転勤不可」を選択するための事由に制限はない
- ・全行員を対象とした半期に1度の所属長との面談の中で、キャリア希望等と合わせて、転居を伴う転勤の意向を確認し、可否について申請している
- ・転勤可否の設定については、変更の回数に制限はない
正社員
(1,316名) |
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職務内容等 |
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転勤の有無 |
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労働時間 |
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雇用期間の定め |
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賃金 |
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昇進、昇格 |
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教育訓練 |
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制度導入のきっかけ・背景
- ■2023年4月よりスタートした長期経営計画のなかで、多様な人材が活躍できるキャリア、雇用形態、働き方等の「働きやすさ」と自らの仕事に誇りとやりがいを感じられる「働きがい」の強化を掲げ、人事制度等の見直しを行うこととなった。
- ■行員の多様な働き方、柔軟な働き方が求められていると感じている。例えば、転居を伴う転勤について、従前は行員の転勤に家族が帯同するという考え方が強かったが、昨今は共働き家庭が増えていること等から行員本人が一人で決定できないようになってきていた。
- ■これまでは、企業の命令であれば行員は従うという考え方があったが、最近は、転居を伴う転勤については、事前に相談し決定していた。その中で、家庭の事情等により、転居を伴う転勤を望まない行員も増えてきていた。
- ■特に若年層は、柔軟な働き方を求める傾向が強く、優秀な若手行員を確保することも、転勤可否を選択できるようにした背景にある。
- ■以前は「エリア総合職」と「総合職」にコースが分かれていたが、転勤のない「エリア総合職」については、総合職と同じような業務に従事しているにもかかわらず、転居を伴う転勤がないというだけで、処遇等が異なることが疑問視されてきていたため、「エリア総合職」を「総合職」に統合し、全社員に転勤の可否を定期的に確認する仕組みとした。
- ■柔軟な働き方を実現するため、総合職、専門職、オフィス職のコース間の転換を柔軟に可能とした。ライフイベント、育児、介護等の事情が生じることを想定すると、転居を伴う転勤の有無のみでなく、仕事の内容等も選択可能とした方がよいと考えた。
制度導入による効果
- ■現在、約1,200名の総合職コースと専門職コースの社員のうち、約430名の社員が「転勤なし」を選択している。
- ■多様な働き方・柔軟な働き方ができることで社員のモチベーションや生産性が向上すると考えている。また、柔軟な働き方ができることが会社の魅力につながり、人材確保が進むことを期待している。
工夫点
- ■阿波銀行では、行員との対話(ダイアログ)を大切にしており、定期的に役員が支店を訪問し、行員と対話している。今回の人事制度の見直しにおいて、転勤の可否を行員が柔軟に選択できることとしたのも、行員との対話を通じて、多様な働き方に対する行員のニーズがあることを役員が感じていたことも一因である。
- ■制度を導入する際には、従業員組合が各支店を訪問して制度改定について説明会を実施した。また、全国を7エリアに分け、各エリア単位で人事担当者が制度変更についてオンライン勉強会を開催し、制度の周知浸透を図った。
今後の課題
- ■エリア総合職を総合職に統合する制度改定について、制度改定に対する反対意見はないものの、制度改定の背景や意図を全行員が十分に理解できているとは言えず、より浸透させていく必要があると考えている。
- ■転居を伴う転勤の可否を確認するだけでなく、一人一人のキャリアビジョンの沿った支援を行い、キャリア実現に繋げていく必要がある。