株式会社アピリッツ

株式会社アピリッツ_01_ロゴ

企業概要

会社設立年 2000年
本社所在地 東京都渋谷区桜丘町1番1号 渋谷サクラステージ SHIBUYAタワー 24階
業種 情報通信業
事業内容
  • ・各種Webサービスの企画・運営
  • ・各種Webサービスのコンサルティング・アクセス解析
  • ・各種Webサービスのパッケージ・ASPの開発・販売
  • ・各種Webサービスシステムの受託開発
  • ・各種Webサービスシステムのインフラ構築・保守・監視
  • ・オンラインゲームの企画、開発、運営
資本金 6億4,511万円(2025年1月31日時点)
売上高 7,147百万円(2024年度)
従業員数 641名(2025年1月31日時点)
事業所数 1か所(本社)

PDFデータ

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制度の概要

<勤務時間を24時間/週まで短縮可能な、「短時間勤務正社員制度」(無期限で短時間勤務を選択可能とする例)>

  • ・勤務時間を24時間/週まで短縮することができる。
    24時間/週を基準としているのは、週3日程度は自社に勤務してもらうことで、あくまでも自社を主な勤務先としてもらうためである。
  • ・対象者は、全社員(非正社員を含む)である。
  • ・制度の利用申請は、事由を問わず通年で可能である(育児・介護、傷病、副業、ボランティアその他の活動、セカンドキャリア形成のための活動など)。
  • ・制度の利用期間の上限は、育児は子供が15歳になるまで、傷病は6か月程度であり、介護・副業・その他の事由の場合については上限はない。
  • ・申請から3営業日程度で適用開始が可能である。短時間勤務を適用する曜日・時間の一時的な変更等については、現場で対応することもある。
  • ・適用にあたっては、人事部の承諾、本人の所属部署の部長の承諾を得る必要があるが、申請のプロセス・内容は事由によって異なる。例えば、本人の傷病の場合は、人事部と相談の上、本人の所属部署の部長の承諾を得る必要があるが、副業の場合は、副業申請を人事部の承諾に加え、本人の所属部署の部長と働き方などを相談したうえで、承諾を得る必要がある。
  • ・フルタイムへの復帰は、随時、人事部の承諾を得て実施している。
  • ・なお、アルバイトから正社員に転換を希望する際に、短時間正社員を選択することは可能だが、アルバイトは若年層が多いこともあり、実態としては、フルタイム正社員を希望するケースが多い。

短時間勤務正社員への転換プロセス

株式会社アピリッツ_02_短時間勤務正社員への転換プロセス(複数回の面談で待遇等についてすり合わせを行う)

(株式会社アピリッツ ヒアリング内容より事務局作成)

正社員 非正規
(81名)
正社員
(560名)
短時間勤務正社員
(短時間勤務)
(6名)
  • ・アルバイト社員
    (81名)
職務内容等
  • ・ウェブサイト、オンラインゲームなどの企画・開発等、職種別の業務に従事
  • ・変更なし
  • ・内定者アルバイト:入社後の職種に準じた研修や補助業務に従事
  • ・一般のアルバイト:イラストレーターやゲームプランナー等の補助業務に従事
転勤の有無
  • ・転居を伴う転勤の可能性はない(事業所は一つのため)
  • ・変更なし
  • ・フルタイムの正社員と同じ
労働時間
  • ・フルタイム(40時間/週)勤務
  • ・1か月単位のフレックスタイム制を適用
  • ・24時間から40時間未満/週勤務
  • 10時~19時勤務の定時制
雇用期間の定め
  • ・無期雇用
  • ・変更なし
  • ・有期雇用
賃金
  • ・基本給(固定残業代を含む):職種・等級(ミッショングレード)に紐づく形で基本給を決定
  • ・賞与:都度決定(決算賞与がでる場合のみ支給しており、分配方法は都度決定)
  • ・ 手当:
    • ・資格手当:対象となる資格(AWS関連資格など)に合格したり、保有している場合に支給
    • ・ポストインセンティブ:プロジェクトの責任者や、オンコール(顧客の電話担当)、客先への常駐・派遣等に支給
  • ・基本給:変更なし(基本給と固定残業代を時間に応じて按分して支給(短時間勤務正社員が残業をすることは想定していないが、固定残業代を除くと月給が大幅に減少するため)
  • ・賞与:都度決定(決算賞与がでる場合のみ支給しており、分配方法は都度決定)
  • ・手当:
    • ・資格手当(AWS関連資格):変更なし
    • ・資格手当(IPA関連資格):時間按分して支給
    • ・ポストインセンティブ:変更なし
      ※短時間勤務正社員は、現状では時間の制約があり当該業務を希望することが少ない
  • ・基本給:時給制
  • ・賞与:都度決定(決算賞与がでる場合のみ支給するか否か、分配方法を決定)
  • ・手当:正社員と同じ
昇進、昇格
  • ・上限はない
  • ・変更なし
  • ※過去、短時間勤務正社員の中で部長職に昇進した実績がある
  • ・正社員登用
    (正社員転換後の昇進、昇格に上限はない)
教育訓練
  • ・変更なし
  • ・正社員と同じ

制度導入のきっかけ・背景

  • ■10年以上前に、社員が仕事と私生活のバランスをとれるように導入した。制度導入時は、育児や介護等の事由へ適用していた。
  • ■2024年に、制度の適用の対象となる事由を拡充した。政府による副業の推進をきっかけに、副業に関する社内の問い合わせが多くなったため、適用の事由に副業を含めた。その際に、副業以外に、賃金の生じない仕事等についても適用の対象とするべきであると考え、その他の活動(ボランティア等)、セカンドキャリア形成のための活動等についても適用の対象とした。
  • ■制度を活用することで、離職せずに、長期的なキャリア形成の糧になることに挑戦してほしい。ものづくりの会社であるため、社員の趣味も本業に生きると考えている。また、本人のキャリア形成の糧になる活動でなくとも、本人の興味のある活動に挑戦してほしいと考えている。
  • ■制度を活用しなくとも、一時的なボランティアやアルバイトは承認しており、本業以外の活動も積極的に取り組んでほしいと考えている。

制度導入による効果

  • ■長期的なキャリアや私生活とのバランスをとりやすくなったため、長期勤続がしやすくなったと考える。
  • ■定年間近の社員がセカンドキャリア形成のために、定年前の半年間短時間勤務正社員制度を活用し、副業を行ったケースがある。定年前の所属部署では役職者であったため、メンバーとして再雇用されることは本人が望んでおらず、また、再雇用では給与が下がってしまう予定であったため、短時間勤務正社員制度を活用してセカンドキャリアを形成することで本人にとってより望ましい仕事を検討することができたと考える。
  • ■短時間勤務正社員制度による人手不足等は生じていない。

工夫点

  • ■導入に際しては、経営陣と社会保険労務士も交えて制度の詳細を検討した。
  • ■制度導入時は、月次で実施している全社会議にて取り上げて、社内説明を行った。制度導入以降も、年に1回は、短時間勤務正社員制度について同会議において取り上げるようにしている。
  • ■制度に関する社内ポータルサイトを作成し、制度の詳細を社員が閲覧できるようにしている。
  • ■社内のコミュニケーションツールで、制度について定期的に周知している。
  • ■申請から3営業日程度で適用開始が可能であるが、フルタイムから短時間勤務正社員に転換する場合は、2か月程度の準備期間を設け、人事部と適用者で複数回の面談を行う。面談では、長期的なキャリアプラン・フルタイムへの復帰予定や、適用期間中の働き方・フレックスタイム制度の適用対象外となること、業務内容の違いによる査定への影響、待遇等についてすり合わせを行う。

今後の課題

  • ■短時間勤務正社員制度を活用した副業を可能としているが、労務管理(労働時間の管理等)が煩雑になることを懸念している。
  • ■正社員から転換する際に、短時間勤務正社員ではなく、アルバイト社員への転換を望むケースが年に一回程度ある。短時間勤務正社員であっても、正社員に対しては業務の責任や負荷が大きい指導的な役割を担うことを求めているためである。