社会福祉法人ゆたか福祉会

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企業概要

会社設立年 1969年
本社所在地 愛知県名古屋市南区泉楽通四丁目5番地3
業種 医療・福祉
事業内容
  • ・障害のある方々の就労と生活を支える事業(就労支援事業、グループホーム、障害者支援施設等)
  • ・高齢分野の事業(デイサービス、グループホーム等)
予算規模 約30億5千万円(2023年度)
従業員数 648名(2024年9月時点)
事業所数 愛知県内33事業所

PDFデータ

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制度の概要

<異動の範囲が転居を伴わない範囲に限定された、「エリア限定正職員制度」(勤務地限定正社員)>

  • ・異動の範囲を転居を伴わない範囲に制限できる。
  • ・対象者は、勤続2年半以上の非正規職員である。(非正規職員が正社員に転換する際に、事業所の変更を望まない場合に活用されることが多い。)
  • ・申請に係る事由に制限はなく、本人の希望があれば申請できる。
  • ・非正規職員からの転換については、勤続2年半の時点で申請希望有無を確認し、年に一回実施する「エリア限定登用試験」を受験する。試験を通過した者を翌年の4月1日に転換している。
  • ・非正規職員からエリア限定正職員となった後、総合職員へ転換する場合は、総合職への転換試験を受験し、合格する必要がある。
  • ・非正規職員の正社員転換時、事業所の変更を望まない場合に選択されることが多い。
  • ・エリア内での事業所間の異動を想定しているが、同一事業所での継続勤務の希望が多く、事業所限定社員として機能していることが多い。

社員体系

正社員(227名) 非正規(422名)
総合職
(199名)
エリア限定正職員
(勤務地限定)
(28名)
職務内容等
  • ・障害者生活施設、作業所、相談支援事業所、訪問ヘルパー等の業務
  • ・利用者の個別支援計画(ケアプラン)の立案
  • ・障害者生活施設、作業所、相談支援事業所、訪問ヘルパー等の業務
  • ・利用者の個別支援計画(ケアプラン)の立案
  • ・障害者生活施設、作業所、相談支援事業所、訪問ヘルパー等の業務
転勤の有無
  • ・転居を伴う転勤の可能性がある
  • ・転居を伴う転勤の可能性はない
  • ・転居を伴う転勤の可能性はない
労働時間
  • ・フルタイム勤務
    (7時間45分/日)
  • ・フルタイム勤務
    (7時間45分/日)
  • ・20時間未満~
    フルタイム勤務
雇用期間の定め
  • ・無期雇用
  • ・無期雇用
  • ・無期雇用・有期雇用
賃金
  • ・基本給:職歴と学歴に基づいて算定
  • ・賞与:月給に係数を乗じて支給
  • ・手当:通勤手当、資格手当、住居手当、扶養手当、特殊業務手当、夜勤手当、管理職手当、超過勤務手当、転勤手当、引っ越し手当
  • ・基本給:職歴と学歴に基づいて算定、もしくは、非正規職員時の時給にフルタイムの労働時間を乗じて1万円を加算した金額のうち、金額が高いものを適用。職歴と学歴に基づく賃金テーブルは、総合職員・エリア限定職員で異なる。エリア限定正職員は、同職歴、同学歴の総合職員よりも1万円程度低い
  • ・賞与:総合職員と同じ
  • ・手当:総合職員と原則同じ
  • ・ただし、転勤手当、引っ越し手当は、60km以上遠方の事業所に移動する場合に支給しているため、支給されることはない
  • ・基本給:職歴に基づく時給を支給
  • ・賞与:週30時間以上を基準に基本給の一ヶ月程度を夏・冬に年2回支給
  • ・手当:エリア限定職員と原則同じ
昇進、昇格
  • ・上限はない
  • ・上限がある(主任、副所長、所長、部長のうちの、主任まで。副所長以上には異動の制限がなくなるため、エリア限定職員が副所長以上に昇進する場合、本人同意のもと総合職に転換する。)
  • ・等級を設けておらず、昇進・昇格もない
教育訓練
  • ・1年目・2年目・3年目研修等を実施
  • ・総合職員と同じ
  • ・1年目研修を実施

制度導入のきっかけ・背景

  • ・非正規職員の雇用が不安定であることが離職につながっていると考え、非正規職員の正社員転換を進めることで、職員の離職防止・定着を図ろうとしていたが、その際、転居を伴う異動を望まない非正規職員が多くいたため、非正規職員の正社員転換後の受け皿として、2018年に制度を導入した。

制度導入による効果

  • ・職員の定着につながっていると感じている。実際に、新卒で入社した総合職員と比較しても、非正規職員からエリア限定正職員に転換した社員の離職はほとんどない。2年半という一定の勤続期間を経て仕事への理解が十分ある上で正職員化するため、新卒入社で総合職員になった者よりも定着しやすいと考える。
  • ・一方で、転居を伴わない範囲であっても事業所間の異動が生じることを懸念して、 「エリア限定正職員」への正職員転換をためらっている非正規職員が一定数いることを感じた。(なお、制度導入時は、非正規職員約400名のうち、18名程度がエリア限定正職員転換試験を受験した。)
  • ・非正規職員から転換した場合には、賞与や手当等が正職員と同内容となり、また、基本給の支給額も上がるため、モチベーションアップにつながることを期待している。

工夫点

  • ・制度を導入する際に、2つの労働組合両方に対して、総合職員とエリア限定正職員で待遇差があることとその理由を丁寧に説明した。
  • ・制度の導入当初は、エリア限定正職員の基本給は、転換前の非正規の月給(時給にフルタイムの労働時間を乗じて算出)に1万円を足した金額としていたが、転換前の事業所や職種等によって転換後の基本給にばらつきが生じ、また、一部の職員の月給はほとんど上がらなかった。そこで、総合職員と同じ、学歴と職歴による算定方法による基本給の算出を開始した。現在は、非正規職員時の時給にフルタイムの労働時間を乗じて1万円を加算した金額と、学歴と職歴による算定方法のうち、金額が高いものを適用している。非正規社員にはエリア限定正職員への転換を積極的に検討してほしいため、賃金が上がるという印象を持ってもらいたい。

今後の課題

  • ・勤続2年半以上を条件としてエリア限定正職員への転換を行っているため、エリア限定正職員としての採用は行っていない。しかし、転居のない働き方への労働者のニーズが高いことを踏まえ、事業所限定で勤務可能な「一般職」の新設も検討している。
  • ・エリア内での異動に対応可能なようにエリア限定としたが、同一事業所での勤務を希望する職員が多く、実態は、“事業所限定”となっている。
  • ・エリア限定正職員が増えすぎると、全体の配置バランスがとれなくなることが懸念である。現在は、エリア限定正職員は各事業所の正規職員の50%程度が上限であると考えているが、労働者の働き方へのニーズに対応しながらも、配置のバランスを取る方法を検討する必要があると考えている。
  • ・現在は、正社員は全てフルタイムの就労を前提としているが、家庭の事情等によってフルタイムで働くことが難しい非正規職員の定着のために、短時間正社員の導入も検討している。