丸磯建設株式会社

一般職を廃止し、「勤務地限定正社員」「短時間正社員」制度を導入。
従業員の定着を図り、多様な働き方のニーズに応える
※令和3年度「多様な正社員」制度導入支援(コンサルティング支援)の支援対象企業

丸磯建設株式会社_01_会社ロゴ

<企業概略>

会社設立年 昭和33年5月
本社所在地 東京都品川区北品川3-6-7
業種 建設業
従業員数 正社員:214名
(男性:188名 女性:26名) 非正規:246名(男性:227名 女性:19名)
資本金 98百万円
売上高(単体) 26,345百万円

<沿革>

昭和30年8月2日 磯部運送株式会社土木部として創業者磯部康志が経営の任にあたる。
昭和33年5月2日 丸磯組株式会社 改組独立し設立。資本金100万円
昭和47年5月2日 現在の丸磯建設株式会社と改名する。
平成8年2月8日 本社ビル竣工 現北品川に移転。
平成14年7月19日 ISO9001:2000認証取得 登録番号(MSA-QS-1684)
平成17年10月1日 磯部康志 取締役社主に就任
平成17年10月1日 梅村郁 会長に就任
平成17年10月1日 堀江秀哉 社長に就任

<企業概要>

 1955年に創業し、ダム、道路、宅地造成といった土木造成工事を中心に事業を展開している。1976年には医療施設建設などを中心とした建築部門を設け、企業力の強化を図り、総合建設業としての体制を固めてきた。今では北海道から沖縄まで、全国に支店を配し、日本の礎を築く多くの工事に携わっている。

1.制度の概要

 採用面や社員の定着を考慮し、従来の一般職を廃止して地域限定正社員、短時間正社員の働き方を導入した。

2.制度導入のきっかけ・背景

 正社員は、総合職と一般職の区分があり、一般職は女性社員のみとなっていた。近年、女性の総合職採用も始めたが、総合職と一般職では賃金テーブルが異なっているため、入社1年目の総合職社員の給与が入社3年目の一般職社員の給与よりも上回る状況になり、見直しの必要性を感じていた。
 また、改定前の制度では、小学校就学まで育児短時間勤務を認めていたが、育児介護等の事由がある場合は期間を限定せず短時間勤務を認められるように変更したいとも検討していた。
 加えて、正社員は転勤があることが前提条件となっており、この点を懸念され、新規採用において正社員希望者が少なくなってしまっているのではないかと危惧されていた。
 上記のような状況から、採用面や社員の定着を考慮し、勤務地限定正社員や短時間正社員の制定、処遇の見直しを行うこととした。

3.制度の内容

①処遇/福利厚生

 正社員に実施している現在の人事考課(ABCDEによる相対評価)に基づく昇給等の条件は、制度導入後も特に変更はない。また、福利厚生、研修も同様の取り扱いとする。
 給与テーブルは、正社員と限定正社員とで差を設ける。また、基本給の変動に伴い、退職金、賞与も減額して支給する。
 退職金は、最終基本給をベースに金額を算定する。ただし、例えば最後の1年間だけ限定正社員となる場合、それまでの正社員時の基本給と比較すると基本給が低くなってしまい、退職金が低く算定されてしまう。このため、勤務期間内の転換状況を考慮して退職金の支給額を決定する。

②教育訓練の機会

 雇用区分による違いはなし。

③昇進・昇格

 限定のない正社員と同様の人事考課を行い、昇給等の条件の違いはなし。

④転換制度(転換ルール)

  • ・一般職を廃止し、勤務地限定(事業場限定)正社員への変更を実施する。
  • ・嘱託限定社員から嘱託社員へ転換を設ける。
  • ・育児、介護、本人の体調不良などの理由がある場合、勤務時間限定正社員を認める。

4.制度導入時の労使コミュニケーションをどのように行ったか

 従前の一般職社員への説明会を開催し、新制度導入後の立ち位置や処遇等を改めて説明し、正社員(総合職)への転換や限定正社員(勤務時間限定)への転換について説明した。

5.工夫点

 育児介護による正社員から限定正社員へ転換するタイミングとして、特に介護の場合は予測がつかないケースがあることから、転換申出日は転換開始希望日の1ケ月前とした。
 限定正社員のうち地域限定型を運用するにあたり、建設業は受注産業なため、製造業等とは違い働く場所が固定されないことから、このエリアで働きたいと希望しても、必ずしもそのエリアで働くことができないことへの対応をどのように考えれば良いか悩んだ。
 対応策としては希望勤務地を起点に半径100㎞にまたがる都道府県として、ある程度柔軟性を持たせることにより、会社と従業員との調和を図った。

6.現在の活用状況

 2022年4月からの運用開始から1年程度で、正社員から限定正社員に転換した人は男性2名、女性1名の合計3名。

7.制度導入による効果

 制度導入後3名の利用者があったことは、それなりに効果があったと考えられる。
 また、中途採用においては、「勤務地限定社員募集」の見出しで募集をかけたところ、1名採用に至った。

8.今後の課題・取組

 勤務地限定正社員の運用方法のうち、希望するエリアに働く現場が無くなった場合、どのように対応するかは今後の検討事項である。