TRIPORT株式会社・TRIPORT社会保険労務士法人

コロナ禍前の創業時から全メンバー・全部署テレワーク
一人ひとりの理想とする働き方(時間・場所)の実現をめざす

TRIPORT株式会社・TRIPORT社会保険労務士法人_01_ロゴ

<企業概略>

会社設立年 2014年7月
本社所在地 〒160-0022  東京都新宿区新宿7丁目26-7 ビクセル新宿1F
業種 その他
従業員数 正社員33名  非正規社員3名 ※グループ合計 36名(2023年2月)
(正社員:男性12人、女性21人/契約社員:男性1人、女性1人/パートタイム社員:女性1人)

<企業概要>

 TRIPORT 株式会社・TRIPORT 社会保険労務士法人は、全国の企業を対象に経営・労務コンサルティング、助成金の申請サポート、IT ソリューションの開発・販売等を行っている。
 人事労務の専門家である「社労士」の付加価値を、まるでクラウドサービスのように“いつでも・どこでも”気軽に利用できる完全オンライン型サービス「クラウド社労士コモン」や、1社1社に最適な助成金をコーディネートし、申請までの道のりを専門家が徹底サポートする「助成金コーディネート」などのサービスを展開(※)。
 ※社労士の独占業務については、社会保険労務士法人で対応

1.制度の概要

 同社の短時間正社員制度は、フルタイム正社員の生産性の量ではなく質と同等であれば、例えば、「1日8時間×1週3日=24時間」や「1日6時間×1週5日=30時間」といったような働き方も、正社員のまま雇用可能とする制度である。
 また、一人ひとりの価値観に合った働き方で、働くひとがしあわせな環境を提供するという考え方のもと、コロナ禍以前から全メンバー・全部署テレワークを実践。テレワーク勤務の利用率は100%で、育児や介護との両立などもしやすい環境が整っている。

2.制度導入のきっかけ・背景

 事業が拡大していく中で優秀なスタッフを採用していく必要が生じるとともに、創業時でまだ認知度も低い状況で優秀な人材を集める難しさに直面。そうした状況を打開するために、「多様な人材の活用」という解決策に行き着いた。
 能力や意欲がありながら、育児や介護などの制約があるため朝9時に出社して18時まで働くようなスタイルで働けないような方たちも働くことのできる環境を作れば、優秀な人材を集められるのではないかと考えた。
 それを実現する手段として、同社では、全社員テレワークを前提とした制度や待遇、提供するサービスなどを組織設計することで、プライベートと仕事を両立できる環境を実現してきた。
 短時間正社員制度もこうした取組の一つとして取り入れられた。

3.制度の内容

(1)短時間正社員の1日あたりの労働時間

 同社では社員の理想とする勤務時間について、一人ひとりヒアリングを行ったうえで雇用契約を結んでいる。
 短時間勤務者については、「1日6時間×1週5日=30時間」とするケースが最も多い。

現在の活用状況
2023年2月現在、36名中 計8名が短時間正社員として働いている。

TRIPORT株式会社・TRIPORT社会保険労務士法人_02_現在の活用状況

(※上記数値は、TRIPORT株式会社・TRIPORT社会保険労務士法人 2法人の合算)

(2)短時間正社員を選択できる事由

 制限はなく、自由に選択可能。育児・介護との両立以外では、社外活動や趣味など、プライベートを充実させるために有期雇用や短時間正社員制度を選択・活用している事例もある。また、自身の望むワークライフバランスを実現するために、有期雇用や短時間正社員の期間を経てから、フルタイム勤務に切り替えた事例もある。
 フルタイム以外の選択肢があることで、退職という道を選ばず長く会社に勤務できるようになり、またその間にTRIPORTで働く意義ややりがいを実感すると共に、帰属意識や愛社精神が育ち、最終的にフルタイムに切り替えた社員の事例もある。

(3)待遇面

 「同一労働同一賃金」の原則に従っており、短時間正社員とフルタイム正社員との間に教育訓練や昇給・昇格の差異はない。

4.導入時の労使コミュニケーションをどのように行ったか

 短時間正社員やテレワークについては、創業時から制度導入しているため、全社員納得した状態で入社している。
 また、新しい取組、制度を導入する際は、その制度が必要な背景、また具体的な効果などを可視化し、説明動画を用意し、全社員いつでも視聴できる状態を構築するなど、様々な工夫を行っている。

5.制度導入による効果

 制度導入は、あくまで要因の一部と考えているが、下記効果に繋がっている。

  • ・採用競争力の高まり、人材の確保
  • ・社員の安心感や帰属意識の向上、人材の定着
  • ・女性活躍推進

<具体的な事例>

《採用競争力の高まり、人材の確保》 の事例

  • ・求人では 10 営業日ほどの募集期間で、約600件の応募実績あり
    (転職希望者からの注目企業としてテレビからの取材実績あり)
  • ・大手求人媒体での採用活動において、TRIPORT株式会社・TRIPORT社会保険労務士法人の2法人ともそれぞれが、「みんなが転職を検討している企業ランキング[全業種]」(約10,000社)でTOP10入り
  • ・経験豊富で意欲ある優秀な人材の獲得

《社員の安心感や帰属意識の向上、人材の定着》 《女性活躍推進》 の事例

 例えば子育て中の女性が、1日3時間×週5日=週15時間→1日6時間×週5日=週30時間に増やすなど、ライフステージの変化(子供の成長)に応じて柔軟に働く時間を選択。結果、人材定着と共に、女性活躍の幅を広げることに効果を発揮している。

6.活躍する社員の声

TRIPORT株式会社・TRIPORT社会保険労務士法人_03_広報部 遠藤めぐみさん

現在の部署:広報部 遠藤めぐみさん(年代:30代、女性、勤続年数6年)

Q.
入社をしたきっかけや決め手はどのようなところでしたか?
A.
子育てをしながらできる仕事を探していた時に、柔軟な働き方ができるTRIPORTに出会い、入社を決断しました。
TRIPORTは、コロナ禍前の創業時から全社員テレワーク(在宅勤務)という働き方を実施していたことに加え、有期雇用(時間給)として勤務をスタートすることもできたため、自分の働きたい時間を仕事にあてることができ、子供の成長を見逃さずに子育てをしながら働ける環境だと判断し入社を決めました。
Q.
短時間正社員制度を利用し始めたきっかけはどのようなことでしたか?
A.
有期雇用で勤務をスタートしたところ、子育てと仕事を両立しながら、当初想定していたより多くの時間、勤務が可能になりました。
入社時は、週2-3日出勤する想定でいましたが、働き方に慣れたり、任される業務が増えることに応じて、子育てをしながら週5で働くことに。扶養からも外れるタイミングで正社員へ転換しました。
正社員となる際、子育てをしながらフルタイムで勤務することは難しい状況であったため、「短時間正社員」の制度を会社側から提案してくれました。そのおかげで、子育てをしながら正社員で働くことに対しても自信が持てました。
また、TRIPORTでは、短時間“勤務”制度(いわゆる時短勤務/育児においては3歳までしか利用できない)ではなく、短時間“正社員”制度(TRIPORTの場合、本人の希望があれば、できる限り本人の希望に応じた形で適用※。フルタイム正社員と同等待遇の計算ロジックで勤務できる制度)を取り入れていることを聞き、自分の子供が成長していった後も、自分の望むワークライフバランスで働けると感じ、またそのように、多様な社員の希望に寄り添った取組をしてくれている会社の姿勢に安心し、正社員になることを決断できました。
※会社の事業戦略も考慮して意思決定をしている
Q.
短時間正社員制度を活用するメリットについて教えてください。
A.
子育てと仕事の両立が可能な点です。子供の成長に合わせて、仕事ができています。
TRIPORTには、柔軟な働き方ができる制度として、短時間正社員だけでなく、テレワーク(在宅勤務)や「中抜け制度※」もあるため、自分の望むライフワークバランスを維持できています。
このように、複合的に制度を活用できることにより、自分の子供を保育園ではなく幼稚園に預けられたり、子供の成長を見逃さずにいられる点もメリットだと考えています。
また、短時間正社員で勤務していても、リーダーという役職がついたり、責任のある仕事を任せてもらえています。子育てをしながらでもキャリアアップできる体制がある点も良い点だと感じています。
※中抜け制度:TRIPORTでは、従業員のライフワークバランスを考慮して "中抜け" が許容されている。家事・育児・通院・介護等、プライベートの事情は人それぞれであるからこそ、”中抜け"が利用できることにより、有休や欠勤を利用することなく、仕事とプライベートの両立が取りやすくなると考えている。
Q.
制度についての要望などがあれば教えてください。
A.
社内に対しては要望は特にありませんが、世間では「短時間勤務制度(時短勤務)」と「短時間正社員制度」の違いを認識していない方が多いと、自身の働き方を説明する時に、実感することが多いです。
「短時間正社員」という制度に対する社会的認知がまだ低い点が社会課題の一つだと感じています。
もっと認知されるようになると、短時間正社員制度が普及し、取り入れる会社が増え、今まで家庭の事情などでキャリアアップや正社員化を諦めていた層がこのような制度を利用しやすくなり、女性の活躍推進にも繋がるのではないかと思います。