株式会社Lbose
フルリモート×フルフレックスの柔軟な働き方で、
同社のミッション「"誰と、どこで、何をするか"を、もっと自由に。」の実現をめざす
<企業概略>
会社設立年 | 2017年10月5日 |
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本社所在地 | 〒860-0801 熊本県熊本市中央区安政町4-14 |
業種 | システム開発 |
従業員数 |
正社員10名 契約社員1名(2023年2月1日現在) (正社員:男性6人、女性4人/非正規社員:男性1人) |
資本金 | 22,500,000円 |
<沿革>
2017年10月 | 東京都渋谷区にて創業 |
2020年2月 | 熊本県熊本市へ本社を移転 |
2020年3月 | 現在の受託開発事業を開始 |
2022年7月 | 総額1億円の資金調達を実施 |
<企業概要>
「"誰と、どこで、何をするか"を、もっと自由に。」をミッションに掲げ、個人の働き方に関する課題解決を目指し、2017年に創業。自社の働き方においては、どこよりもミッションを体現することを目指し、2017年の創業時からフルリモート×フルフレックスの働き方を導入。
新規事業や事業のDX化におけるデジタルプロダクト開発支援を行う「ATTEND biz」を中心に、webアプリやスマートフォンアプリの受託開発を行う。
1.制度の概要
同社ではフルリモート×フルフレックスの働き方を導入。
「フルリモート制度」は、基本的に本社に出勤することなく、自宅等で勤務できる制度である。
「エクストリームフレックス制度」(フルフレックス)は、コアタイムなしのフレックスタイム制度と所定労働時間の長さを選択できる制度を併せ持った制度である。
2.制度導入のきっかけ・背景
同社は従来はフリーランスが集まって事業を行っていたが、法人化することになった。
そのため、フリーランスのように柔軟な働き方が可能な労働環境が必要であることが制度導入の背景にあった。
そして採用の面でも、IT業界はエンジニアの人材獲得競争が激化している。そこで、例えば地方で、短時間のみしか働けない人なども働ける環境を整えることが必要な人材を採用する上で有効と考え、この点もフルリモート制度の導入につながっている。
また、創業メンバーの一人に聴覚障がいを持つメンバーがいたため、テキストコミュニケーションでの業務遂行が浸透していたことも、フルリモートの制度導入がスムーズに進んだ要因のひとつとなっている。
エクストリームフレックス制度については、自社の社員の多くが30代前半で子育て世代であることから、働きやすい環境を整備する必要があると考え、フルフレックスであるとともに短時間勤務や柔軟な調整が可能な働き方が必要であると考えた。
3.制度導入の内容
フルリモート、フルフレックスの働き方は全社員に適用としている。
フルリモートは、社員は基本的に自宅(居住地は問わない)で勤務しており、社内イベントなどの際のみ出張扱いで本社(熊本県)に集まるようなかたちを取っている。
同社は東京の渋谷で創業したが、創業時からフルリモートで働ける体制としていたため、あまり渋谷の本社に出社をする社員がおらず、新型コロナウイルスの感染拡大が起こる直前の2020年2月に本社を熊本県に移転している。
エクストリームフレックスにおける「フレックスタイム」についてはコアタイムなしであるが、深夜(午後10時~午前5時)の労働は基本的に行わないように指導している。
また、例えば月の所定労働日数が20日間の場合は、月の所定労働時間は160時間(8時間/日☓20日)となるが、±20時間のみなし残業があり、仮に160時間未満の勤務であったとしても、適切な成果が出ていれば、賃金の減額は行わないようにしている。
なお、勤務時間途中の中抜けも認めており、柔軟に勤務時間の調整ができるので、子どもの都合で有給休暇を使用する社員はほとんどいない状況である。
エクストリームフレックスにおける「短時間勤務」においては、月単位で所定労働時間を社員が選択できるようにしている。例えば8月は子どもが夏休みのため、月の所定労働時間を80時間とし、9月は160時間に戻すということも可能である。
短時間勤務については、時間比例で基本給を調整している。月あたりの所定労働時間については、強制ではないが従業員に年間計画を事前に提出してもらい、正式には1か月前までに申請というかたちをとっている。
4.導入時の労使コミュニケーションをどのように行ったか
元々リモートワークやフルフレックスの制度はあったが、運用のみとなっており曖昧なところがあったため、本格的に制度導入を行うこととした。
制度導入の約2か月前に、全体に新制度の概要、メリット、デメリット等を通知した。
その後、個別に面談形式でヒアリングを行った。社員の意見の中には、「ここまでして大丈夫?」など、社員から心配の声が出ることもあった。
そして、ヒアリング結果に基づき、制度設計を行い、就業規則にも規定することとした。
5.工夫点
フルリモート×フルフレックスであり、みなし残業も±20時間としていることなどから、働き方が柔軟である分、成果の評価が難しい面があった。
工夫点としては、①まず採用時に会社が求める時間あたりの工程を遂行できる能力があるか確認すること ②「どれだけの稼働時間でどれだけのものができるか」について、事前にすり合わせを丁寧に行うこと ③週次で打合せを行い、細かなフォローやコミュニケーションを行うことで成果の見える化に取り組んだことが挙げられる。
また、フルフレックス制度で、残業時間が長くなることが懸念される社員がいる場合は、事前にアラートを出したり、全体調整をかけて社員の負担を軽減するなどといった取組も行っている。
6.現在の活用状況
正社員が10名在籍している。勤務場所はそれぞれの居住地にあわせ、関東7名、九州3名の状況である。契約社員は関東に1名在籍している。
フルリモート制度、フレックスタイム制度は全員が対象であり、現在活用している状況である。
短時間勤務制度については、退職者を含めると3,4名活用している。現在、活用している社員は2名である。
7.制度導入による効果
採用コストを多くかけなくとも同社での働き方に魅力を感じて優秀な人材が集まるようになったことで採用コストが下がっており、かつ社員の定着率向上にも寄与している。
働く場所、勤務時間が固定的ではなく、多様で柔軟な働き方が認められているので、社員一人ひとりの生活設計に応じた働き方が可能となる。このため、社員からも「この会社で力を発揮する」という意識が出ており、社員の帰属意識の醸成及び貢献意欲が拡大していることを実感している。
また、フルリモート、フルフレックスで働けるだけではなく、月ごとに変動可能な柔軟な短時間勤務を認めていることも同社の特徴であり、必要に応じて週3日相当(週24時間程度)、週4日相当(週32時間程度)の勤務が可能となり、特に子育て世代の社員にとって働きやすい面がある。
また、こうした働き方に関する取組がメディアで取り上げられることもあり、企業イメージの向上にもつながっている。
良い人材も集まってきているので、仕事のクオリティが向上し、お客様からの評価も高まっており、事業の成長にもつながっている。
8.今後の課題
現在は、フルリモート、フルフレックスであることもあり、中途採用でも自身で業務を遂行できる即戦力中堅社員の入社が多く、社員の年齢が30代に偏っており、若い社員やシニアの社員が不足していることに問題があると感じている。
リモートワーク、フルフレックス、柔軟な短時間勤務と働き方は多様になったが、社員も様々な世代で構成することが大切と考えている。
また、若手の社員が入社した場合は、教育体制の整備が課題である。
組織が成長していく上では、多様な世代が社内で活躍できていることが理想的である。
9.活躍する社員の声
開発部門 エンジニア 植田 卓さん
前職は一部リモート、一部フレックスという業務形態でしたが、一部が適用される箇所が少なく、有名無実化しており、出勤することも非常に多い状態でした。
私は聴覚障がいの影響で三半規管の機能が弱っており、めまいを起こすことが非常に多いのですが、通勤のバスなどで酔って体調を崩してしまい、仕事にベストパフォーマンスでことが臨むことできないことが多々ありました。
現職でフルリモートになり、通勤で体調を崩すこともなく常に仕事にベストパフォーマンスで取り組めています。
また、プライベートも含めたメリットでは、仕事の合間に運動を取り入れられることも大きなメリットであると感じています。
フルリモートでは運動不足になりがちですが、フルリモートのみの運用では多くの会社は日中が業務時間となりますので仕事が終わった後に運動を取り入れなければいけないと思います。また、フルフレックスのみの運用ですと会社には出勤しなければならず、会社への通勤時間がかかるエリアですと会社に行って帰るだけで時間を消費してしまうため、途中で仕事を中断して再度会社に戻る、というのはなかなか難しいかと思います。
フルリモート×フルフレックスと掛け合わせることで、お互いのデメリットを打ち消して、公私ともに最大限メリットを受けられ、より効率よくパフォーマンス高く仕事に取り組めていると感じています。
また、家族の体調が急変したときなどに仕事を一時中断して病院への送迎などもできるようになりました。
私は旅行を趣味としていますが、フルフレックス×フルリモートを最大限活かすことで、例えば旅行先で午前中は観光を楽しみ仕事へのモチベーションを上げ、午後は地域のコワーキングスペースで仕事をする、といったことができるので、非常にモチベーションもパフォーマンスも高いまま仕事をすることができます。
人それぞれにあった働き方があると思いますが、私はこの働き方が1番自分にあっていると感じています。