丸紅株式会社
短時間正社員制度の導入・実施状況は?
丸紅では、「会社・社員双方がキャリアの段階やライフステージに応じて働く環境を整え、社員一人ひとりの中長期的な「会社への貢献」を極大化する」ことを目指し、ワーク・ライフバランスを推進しています。
法令を上回る制度を整備するとともに、制度の適時・適切な利用により、キャリア形成とライフイベントの両立を図っていけるよう、各種フォローアップ施策を展開しています。
短時間勤務制度は、育児・介護を事由に取得することが可能であり、育児の場合は子が小学校4年生6月末まで、介護の場合は介護事由が存在する限り取得可能です。
1日2時間までの遅刻、早退、勤務中断(中抜け)を認めていますが、家族との役割分担や仕事の状況に応じ、利用日や利用時間をフレキシブルに変更できる制度としていることが特徴です。
また、2010年に育児・介護関連制度の改訂を行い、短時間勤務に加え、時差勤務の仕組みを導入しました。1日1時間まで、15分単位で始業時刻を繰り上げ/下げできる制度です。さらに、1日1時間までであれば短時間勤務を併用することができます。
短時間勤務を長期間取得することによるキャリア形成への影響も踏まえ、特に育児目的の場合、子どもの成長に応じて勤務時間を見直すことを促しており、復職時に短時間勤務を利用し、時差勤務に切り替え、通常勤務に戻るといったパターンの利用も増えています。
制度についての今後の方針やお考えは?
仕事と育児/介護の両立における課題は、就業継続からキャリア形成・活躍へシフトしています。ライフイベントとの両立を図りながら、継続的かつ意欲的にキャリアを形成できるよう、2008年以降、産休・育休を取得する前の本人と直属上長と人事部の三者面談を必須としています。面談では今後利用可能な制度や制度利用時の評価の考え方などを説明し、休暇・休業に入る前から復職後のキャリアについて考えるきっかけとしています。
また、若手社員に対するキャリア支援策も強化しています。女性総合職の活躍推進施策として、2014年度から「紅novation Program」と題し、若手女性総合職とその直属上長を対象とした研修プログラムを実施しています。将来のライフイベントの可能性をイメージしながらキャリアを積むこと、キャリアの初期段階からチャンスを掴んで実績を上げていくことが重要とのメッセージを伝えています。
介護については、2011年度、2015年度の2度、「介護ニーズ調査」を実施しました。会社の制度はもちろん、公的介護保険の仕組みなどの情報を予め得ておくことが、仕事と介護をスムーズに両立するための重要なカギとなります。会社独自の「介護支援ハンドブック」を作成・配布している他、継続的に介護セミナーや個別相談の機会を設るなどして、介護への備えを支援しています。
なお、制度面については、育児と介護両方を足並みを揃えて整備してきたことから、現状大きく変更する予定はありませんが、社員が必要な時に制度を利用しながらキャリア形成ができるよう、引き続き制度周知に努めていきます。更に、短時間勤務を有効に利用しながら、より早期に復職できる職場風土作りも進めていきたいと考えています。