喜多ハウジング株式会社

貴社は、どんな会社ですか?

喜多ハウジング株式会社は創業45年、石川県内に6店舗を構え、主に住宅のリフォームを手がけています。機能性を重視したデザインや地元石川県の伝統工芸を取り入れた「地産地消」デザインなど独自のリフォーム提案を強みとし、コンクールでの受賞経験も豊富です。特に住宅のリフォームは「家事や家族と過ごす時間を手がける」という点で女性デザイナーの活躍の場が多く、中小企業であるため1人あたりの業務範囲が広いことからも、貴重な戦力である女性デザイナーにできるだけ長く活躍してもらうことが課題となっています。

短時間正社員制度の導入・実施状況は?

制度導入に際しては、現行の育児・介護休業法に則した規程の整備をする必要がありました。直近で制度利用を予定している社員はいませんが、子育て経験のある社員や管理職なども含め、幅広く意見を聴取した上で、以下のような制度案を取りまとめ、導入を検討しています。

①対象者:当社には子育て期を迎える社員と高齢の両親を抱える社員がいるため、取得事由には育児と介護、傷病などを含める。育児の場合は小学1年の4月末まで利用可能とする。

②勤務時間:短時間勤務は、所定労働時間が7.5時間であるため、短縮時間を1.5時間以内とする(30分単位で繰上・繰下)。短日勤務は、上記の考えを適用した上で、週合計所定労働時間を最短30時間とする。短時間勤務者の残業は原則認めない。

③賃金制度:基本給と職務手当(みなし固定時間外手当)を、短縮した所定労働時間の割合に応じて支給する。賞与は、算定基礎になっている基本給を労働時間に応じて減額する。

制度を導入した背景や経緯は?

しかしながら、デザイナーの仕事は商談や企画の仕事以外に各種申請業務なども多く、長時間労働になりがちで、育児や介護を担う必要が出てきた場合、仕事との両立は難しいと考えられていました。そのため以前は、こうした事由のある社員は、有期のパート社員となり、補助的な仕事につくケースが多くありました。

そこで、職場環境改善のために立ち上げたファミリーサポートプロジェクトの会議で、短時間正社員について検討することとなりました。短時間正社員であれば、スキルも能力もある社員を「正社員」としたまま、通常勤務の社員と同様の仕事を任せることが出来ます。また、社員もデザイナーとしての矜持を保ちながら、安心して仕事を続けることができます。

制度についての今後の方針やお考えは?

これから制度を実際に運用していく上では、通常勤務社員も含めた労働時間の短縮が喫緊の課題です。社内業務の簡素化・標準化や、顧客との効率の良いアポイントのとり方、ペア制の導入などアイデアはありますが、まだ現場での実行に移せていない部分があります。また、社内の研修会や勉強会が所定労働時間外に実施されることが多く、これらの扱いについても検討が必要です。

現在、当社では、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画による認定取得を目指しています。短時間正社員制度の導入を含めた一連の取組によって、既存の社員がよりよい職場環境で働けることも勿論ですが、採用市場での有能な人材の確保に効果が得られることも期待しています。