株式会社平和堂

貴社は、どんな会社ですか?

当社は、滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・愛知県・岐阜県・福井県・石川県・富山県の2府7県で地域のお客様に密着した店舗づくりを行っている総合小売業です。

従業員数(アルバイトを除く)は14,128名で、男性 3,412名、女性10,716名です(2019年度末)。

短時間正社員制度の導入・実施状況は?

1991年に、育児、介護、ボランティア・地域活動、生涯学習の支援を目的とした「ゆとりライフ制度」の一環として、短時間勤務制度を導入しました。

短時間勤務制度の現在の利用者数は、107名です(2019年度末)。制度導入してからこれまでの利用実績は、延べ1,208名(年度末での取得者累計)となりました。

制度を導入した背景や経緯は?

1991年に、初の女性店長・課長が誕生したことを期に、女性活躍促進に取り組むようになりました。労使のメンバーで構成する「機会均等推進チーム(現.ワーク・ライフ・バランス推進チーム)」により、ポジティブ・アクションの取り組みとして推進してきました。

「ゆとりライフ制度」は、育児、介護、ボランティア・地域活動、生涯学習の支援を目的とした短時間勤務に加え、休業、再雇用制度等も含む形で構成されます。

制度の概要を教えてください。

(1)対象者は?
パートタイム労働者や契約社員を含む、全従業員(直接雇用)が対象となります。ただし、利用目的によっては対象が限られるものもあります。

(2)利用目的は?
育児、介護、ボランティア・地域活動、生涯学習の4点で、それぞれの適用対象者は次の通りとなります。
①育児:勤続1年以上の正社員と契約社員を対象としていますが、再雇用の場合は再雇用後1年以内でも利用可能です。
②介護:正社員、契約社員、パート社員、アルバイト社員が利用できます。
③ボランティア・地域活動:正社員と契約社員とパート社員が利用可能です(同事由の休業は、勤続2年以上の従業員が利用できます)。
④生涯学習:正社員と契約社員とパート社員が可能です(同事由の休業は、勤続2年以上の従業員が利用できます)。

(3)勤務時間や日数は?
1日の所定労働時間は8時間ですが、短時間勤務は6、7時間勤務のいずれかを選択する仕組みとしています。

(4)短時間正社員として就業可能な期間は?
育児:子どもが小学校4年生になった年の4月15日まで利用できます。
介護:3年の間で2回利用できます。(法定どおり)
その他の利用目的:最長1年間利用できます。

(5)賃金や評価はどのようにしていますか?
賃金・賞与:勤務時間の短縮分を減額しています。
退職金:ポイント制退職金制度を導入していますが、制度利用期間は、勤務時間の短縮分を減じたポイントを付与します。
評価:行動評価と業績評価の2つに分け評価します。各職場では、本人と上長が「行動評価表」「重点項目評価表」を用いて進捗確認をします。

また、短時間勤務者の設定した目標を100としてその達成度を評価するため、勤務時間が短いからといって評価が不利になることはありません。

(6)そのほか、貴社の制度に特徴があれば。
当社では、個人の生活や地域活動参加を支援するため、2002年に限定勤務地制度(通勤時間が片道90分以上の異動がない)を導入し、ワーク・ライフ・バランスを配慮した働き方の選択肢が更に拡大しました。
2020年より人事制度が改訂され、「多様な人材が多様な働き方で活躍できる会社」を目指します。
人事制度の改訂では、キャリアアップを目指すコース(CDコース)と働き方に制約のある中で社会参加と活躍を目指すコース(SPコース)の2つのコースを設定し、コース転換ができるように設定されています。

このように、幅広い選択肢を持たせることで、従業員の多様なニーズに対応することができると考えます。

制度の導入や運用にあたっての課題・問題は?

育児目的で短時間勤務をフルに利用すると、子ども1人につき9年間ほど短時間勤務を行うことになります。やはり、フルタイム勤務の従業員に比べ、短時間勤務者には責任のある仕事を任せにくい状況もあり、本人のキャリアアップも遅くなることが懸念されます。そのため、短時間勤務でも主任等の仕事が任せられるよう、人員体制など職場環境の整備も会社の課題です。
また、育児休業中の社員を対象としたセミナーの開催や教育ツールの整備で、育休者が安心して復帰でき、復職後スムーズに活躍してもらえるような支援を行っています。

制度導入でどんな効果やメリットがありましたか?

短時間勤務を含む「ゆとりライフ制度」の導入・運用により、出産・育児を理由とした離職者が減少しました。また「ゆとりライフ制度」は、制度利用者の声を反映し、制度内容を拡充してきています。
「ゆとりライフ制度」の短時間勤務を利用し、その後は管理職として活躍している女性社員もいます。

制度についての今後の方針やお考えは?

「ゆとりライフ制度」は、女性活躍推進の一つの施策として誕生しました。短時間勤務制度を含むこの制度により、従業員が仕事と生活を両立しながら、働き続けることができる環境づくりについて、一定の成果を出せたと思います。

今後は、女性活躍推進のもう一つの側面である、女性管理職の育成にも一層力を入れて行きたいと考えています。