日本ユニシス株式会社

最近3年間の短時間正社員制度利用者数は?

短時間正社員制度の利用人数は、2007年43名、2008年77名と、ここ数年で序々に増えてきています。内訳については、当社では、育児、介護、私傷病を事由として制度を取得することができますが、利用者の半数以上が育児を事由としたものです。

短時間正社員制度を開始した時期は?

短時間正社員制度については、1977年に育児事由、1991年に介護事由の短時間正社員制度をそれぞれスタートさせ、2006年9月には大きく制度を拡充しました。育児については、小学校入学までから卒業までに延長、また、育児とは別に、子の「養育」を事由とする短時間正社員制度を、高校卒業まで1日2時間とれるようにしました。またこのタイミングで、メンタルヘルスなどの方がリハビリや軽勤務がとれるように、私傷病を制度取得事由に加えました。

短時間正社員制度を導入した目的は?

1977年の育児事由の制度導入に際しては、業界的にも女性の専門職が比較的早く活躍しており、戦力化されている中で、せっかく育成しても退職されてはもったいないという認識がありました。制度導入の主目的は、女性の継続就業であったと思います。

短時間正社員制度を導入した背景や経緯は?

社員が安心して働ける環境を提供しようというのがグループ人事理念であり、この理念に沿って、人事部では短時間正社員制度を含めさまざまな「制度改革」 を検討・実施してきました。一方で、CSR推進部を2005年から設置。CSR活動の一環として、社員が安心して働けるよう、社内の「意識改革」について取り組みを強化してきました。他社は、「制度改革」「意識改革」 の両方を人事部で行われるケースが多いと思いますが、当社では、分かれていることの「良さ」 を生かしながらやってきています。
実態を把握するために、ワーキングマザーなどの社内の声を非公式にまたはアンケートなどで収集しています。2006年9月の制度拡充に際しても、例えば、小学生低学年であっても、学童保育のお迎えが必要であったり、学童保育の対象年齢を超えた後もまだ子供だけで過ごすには心配が多く、制度取得期間を拡大して欲しいというニーズを拾い、見直しに反映しました。また、検討を行う中で、育児だけではなく教育という問題を考えたときに、中学校、高校の時期も親の果たす役割は大きいと考え、また、男性も育児に携われるようにしようという想いから、高校卒業まで短時間勤務が可能な制度としました。この点に関して、小学校卒業後~高校卒業までの期間についても、実際に取得者は数名出てきており、ニーズはあったのだと認識しています。

短時間正社員の賃金や評価はどのようにしていますか?

月々の賃金は、短時間制度をとった時間分控除していますが、賞与については、あくまで、目標に対する達成度で評価する仕組みとしているため控除は行っていません。
評価については、通常勤務者と同じ仕組み・運用を行っています。ただし、取得期間が長期間となることが想定されるケースなどでは、期初の目標設定において、短時間制度取得を考慮した目標設定を行う調整を施しています。

短時間正社員の勤務時間および日数は?

勤務時間は30分単位で2時間まで短縮可能です。また、勤務日数は週5日で通常勤務と同じです。育児時間と子が高卒までの短時間勤務は、規程は別になっていますが、勤務時間および日数については同じ仕組みをとっています。

短時間正社員として就業可能な期間は?

育児については、小学校卒業まで、養育については、高校卒業まで制度の取得が可能です。
介護や私傷病の場合は特に期限を設けていません。

短時間正社員へ配慮していることは?

制度を利用すること自体を遠慮する必要はなく当たり前の権利だという考えを、マネジメント層に周知することを重視しています。具体的には、マネジメント研修で啓発したり、さまざまなアンケートを人事部から出して、会社として短時間正社員制度を推奨しているのだということをPRしたりしています。一方で、制度利用者に対しても、周囲の方へ配慮するよう、働きかけを行っています。

短時間正社員制度の社内への告知方法や利用促進策は?

告知方法については、イントラネット上での情報掲載を行っています。具体的には、妊娠~育児~養育の各期間に取得できる制度を一覧化しています。加えて、CSR報告書や社内報などで情報周知を行っています。利用促進策については、人事部の中に、両立支援に関する相談窓口を設けて、専任の担当者を置き、そこでメールや電話で相談できる体制を組んで利用促進につなげています。

制度導入でどんな効果やメリットがありましたか?

「①人材の流出がある程度防げていること」、「②様々な制度と包括的にPRすることで女性新卒の応募者が増加していること」が挙げられます。現在は全社員の2割弱、内定者では4割弱が女性で、女性が序々に増えてきている状況です。

短時間正社員制度の課題は?

かなり制度を拡大してきたところなので差し迫った問題はありません。今後は、ワークスタイルの変革という視点からの検討に取り組んでいるところです。ただ、介護を事由とする制度利用に関しては現状の把握も不充分と感じています。今まで制度を利用したことのない人が介護に直面した場合に、躊躇することなく制度が取得できるように、制度の認知度を高めていく必要があると認識しています。