株式会社データホライゾン

貴社は、どんな会社ですか?

当社は主に、医療関連情報サービス(レセプトデータを解析し、保険者向けに医療費の適正化及び生活の質向上のためのサービスを提供)と医療関連情報システム(病院や保険薬局向けの業務用パッケージソフトの開発と販売)の二つの事業に取り組んでいます。

従業員数は子会社も含めて正社員が148名、パートタイマーが2名です(2013年3月末現在)。

短時間正社員制度の導入・実施状況は?

現在、育児中の正社員向けに制度を定めています。過去3年間の利用実績は10名で、全て女性です。

また、療養中の正社員に対しては、包括的な制度で対応するのではなく、対象者と個別協議を行った上で勤務内容などを適切な形態にカスタマイズしています。

制度を導入した背景や経緯は?

育児目的の短時間正社員制度については、全従業員の3割程度を女性が占めており、働きながら育児をしていきたいというニーズがもともと強かったことが背景にあり、直接的には法制度対応という観点も含めて制度を整備しました。

一方で、療養目的の短時間正社員制度については、産業医の先生と相談し、個別事情を勘案しながらリハビリ期間を設けることが良いとの判断をした結果、包括的な規定を整備しないこととなりました。

制度の概要を教えてください。

(1) 対象者は?(就業形態、役職等)
・ 入社1年未満の従業員を除いて、原則として全ての正社員が利用できます。

(2) 利用目的は?
・ 育児目的及び療養目的になります。

(3) 勤務時間や日数は?
・ 現在は短日勤務はなく、短時間勤務のみで所定勤務時間を9時から16時に定めています。

(4) 短時間正社員として就業可能な期間は?
・ 育児目的の場合は、子どもが3歳になるまでの間です。療養目的の場合は個別に決定しています。

(5) 賃金や評価はどのようにしていますか?
・ 給与、賞与:短縮した時間分は控除しています。

・ 評価:評価は成果と出勤率によるものとしていますが、短時間正社員も通常の勤務と同等とみなし、評価シートも同一のものを活用しています。ただし、目標の設定は短時間勤務であることを考慮して行います。

制度の導入や運用にあたっての課題・問題は?

これまでの利用者の職種は内勤が中心でした。営業の場合、出張が多く、時間に制約のある社員はどうしても続けることが難しいので、営業事務に職種転換してもらう等の措置が必要になります。

制度導入でどんな効果やメリットがありましたか?

制度導入と会社の規模拡大がちょうど同じタイミングで起こったのですが、制度を導入したことで女性の働きやすさは改善されたと思います。

制度についての今後の方針やお考えは?

現在は女性のみが利用していますが、現実的には働き盛りの男性が短時間勤務になるには色々な実務上の制約もあるとは思いますが、男性が活用するような事例も出てきて良いと考えています。

また、現行制度では勤務時間が9時~16時と固定されていますが、利用者のニーズに応じて幾つかのパターンを整備することも考えられるかもしれません。

利用期間も現在は法制度対応という観点から子どもが「3歳まで」となっていますが、「未就学の間」に延長するといったことも検討していきたいと考えています。

短時間正社員制度の課題は?

短時間正社員制度の利用者については、原則として残業を行わないで済むように配慮しています。一方で、当社の仕事内容が各職種ともに比較的専門性・個別性が要求される要素が強いので、他の従業員に簡単に引き継ぐことが難しいという側面があります。その結果、繁忙期になるとどうしても残業が発生してしまうケースが出てきます。ただ、これを理由に簡単な作業しか任せないことにしてしまうと、従業員のモチベーションを著しく低下させてしまうことになります。うまくバランスをとりながら運用・改善を進めて行きたいと思います。