L社
基本情報
業種 | 総合コンサルタント |
---|---|
都道府県 | 北海道 |
社員数 (2024/1時点) |
正社員:160名 パートタイム労働者・有期雇用労働者:80名 |
事業概要 | 測量、調査、土木建設事業、開発事業、環境保全事業、設計・エンジニアリング事業、IT事業等 |
取組を行った待遇
基本給 | |
---|---|
賞与 | |
手当 | |
退職金 | |
福利厚生 | |
休暇・ 休職制度 |
○ |
教育訓練 | |
その他 | ○ |
取組のポイント・概要
背景
同社は、多様なキャリアの人材確保、育成、活躍推進が必要不可欠であると考えており、そのために、だれもが働きやすい就業環境を創出し、全ての社員がライフステージに応じて働き方を柔軟にし、継続就業を可能にすることが必要であると考えていた。
取組
パートタイム・有期雇用労働者を含む全社員を対象に、子の看護休暇および介護休暇(有給)、年次有給休暇の時間単位取得、フレックスタイムを適用した。
待遇 | パートタイム労働者・有期雇用労働者に対する支給状況 | |
---|---|---|
取組前 | 取組後 | |
休暇・休職 | 子の看護休暇・介護休暇(有給)、年次有給休暇の時間単位取得の適用なし | 子の看護休暇・介護休暇(有給)、年次有給休暇の時間単位取得を適用 |
その他 | フレックスタイム制の適用なし (業務上の都合により、一部の部門のみで正社員を対象に適用) |
フレックスタイム制を適用 |
効果
- ・社員の90%以上が両立支援制度(時間単位有給取得制度、子の看護・介護休暇)に満足していると回答した。
- ・パートタイム・有期雇用労働者を含む全社員を対象に、子育て世代にとって働きやすい制度を整備したことで、パートタイム・有期雇用労働者の退職者が減少し、定着が進んでいる。
- ・社員全体の退職者が減少した。
取組の詳細
取組に向けた検討プロセス
2016年、経営層の意向により、育児者懇談会を発足し、社内の状況を踏まえ、離職防止、職場環境の改善等に関する要望・意見を取りまとめ、経営層に上申した。同年、社内プロジェクトチーム「両立支援事務局」を発足した。プロジェクトチームでは、同社独自の「両立支援制度」を策定し、その結果、パートタイム・有期雇用労働者を含む全社員を対象にフレックスタイム勤務や年次有給休暇の時間単位取得、子の看護休暇の対象年齢の拡大、有給化、介護休暇の有給化の実施にいたった。
プロジェクトチームは、総務部の管理職1名と組織横断的に選定された担当者2名の計3名から構成された。プロジェクトチームと社長で連携しつつ、取組を推進した。
また、育児をしている社員同士が子育ての相談や情報共有を行う懇談会を定期的に開催し、懇談会での意見を吸い上げ、経営層に連携し、現場の意見が取組に反映されるようにした。
パートタイム労働者・有期雇用労働者の待遇改善の詳細
【休暇・休職について】
懇談会での意見に基づいて、子の看護休暇として年間最大15日分の有給休暇、介護休暇として対象となる家族1人につき年間最大5日分の有給休暇を、パートタイム・有期雇用労働者を含む全社員に適用した。全ての社員が出産、育児、介護等のライフステージに応じて働き方を柔軟にし、継続就業を可能とすることが狙いである。また、年次有給休暇の時間単位取得を適用し、柔軟な働き方ができるようにした。
【フレックスタイム制について】
2017年にフレックスタイム制を試行導入し、2019年に本導入した。現場での労務管理の負荷が高まる懸念があったため、運用がうまくいかなかった場合は、導入を取りやめるという説明のもとで、試行導入、本導入という段階を設けた。フレックスタイム制の適用の対象者を、育児や介護中等の事由のある社員に限らず全社員(パートタイム・有期雇用労働者を含む)としたのは、周りが不公平に感じる可能性があるだけでなく、対象者自身も両立支援制度を利用しづらくなってしまう可能性があったためである。
取組による効果
- ・社内アンケートの結果、社員の90%以上が両立支援制度(時間単位有給取得制度、子の看護・介護休暇)に満足していると回答した。
- ・パートタイム・有期雇用労働者を含む全社員を対象に、子育て世代にとって働きやすい制度を整備したことで、パートタイム・有期雇用労働者の退職者が減少し、定着が進んでいる。
- ・休暇取得の意識が高まったことで、全社員が休暇を取得しやすくなった。お互いに休暇中の仕事をカバーするような雰囲気がでてきたと感じる。また、社員全体の退職者が減少した。