取組事例(2022年)
日の出屋製菓産業株式会社
基本情報
業種 | 製造業 |
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都道府県 | 富山県 |
社員数 (2023/03時点) |
正社員:222名 パートタイム・有期雇用労働者:142名 |
事業概要 | 大正13年(1924年)富山県福光町(現在の南砺市)にて川合宣之が創業し、昭和29年(1954年)に法人化した。 主原料は富山県産米を100%、副原料は富山湾のしろえび等の地元産素材を積極的に使用し、製法にもこだわりながら米菓子を製造している。 南砺市(旧福光町)と立山町に生産拠点を持ち、量販店(問屋経由)・専門店(地元密着型の小売店:和菓子屋、お茶屋等)等の卸売先は全国に及んでいる。特に「商品」にこだわる取引先からの信頼は厚い。更に北陸・東京・大阪地区の直営店や通信販売で消費者に直接販売している。 自然環境に恵まれた富山県で商品を作ることに感謝し、地域に根差して、地域に貢献の出来る企業でありたいと願っている。 |
取組を行った待遇
基本給 | |
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賞与 | |
手当 | ○ |
退職金 | |
福利厚生 | |
休暇・ 休職制度 |
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教育訓練 | |
その他 |
取組のポイント・概要
背景
女性の従業員が約7割と多いことに加え、創業以来の「人」を大切にするという企業理念もあり、働き方改革関連法の成立以前より、女性やパートタイム・有期雇用労働者、さらに障害者が働きやすい職場環境づくりを推進してきた。
取組
パートタイム・有期雇用労働者であっても活躍できるよう、業務内容・責任度合いに対応した各種手当(職務手当:店長手当等)を支給している。
待遇 | パートタイム労働者・有期雇用労働者に対する支給状況 | |
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取組前 | 取組後 | |
職務手当 | 能力があってもパートタイム・有期雇用労働者には責任のある業務を担当させていなかった | 能力があれば責任のある業務を担当させて職務手当(店長手当等)を支給することにした |
効果
多様な働き方への対応を求められる時代になり、「責任者=正規従業員」にこだわっていては、「人財」が確保できず会社運営に支障をきたすようになった。また、定年再雇用(正規従業員→シニア社員)の「人財」にも能力があれば店長等として引き続き活躍してもらっている。雇用継続やモチベーションの維持にもつながった。
取組の詳細
取組に向けた検討プロセス
基本的には正規従業員での採用。
パートタイム・有期雇用労働者は、本人の希望により「職務内容、勤務地、労働日、労働時間等」を制限する雇用形態である。
図表 雇用区分と主な職務内容等
社員タイプ | 職務内容 | 職務内容・配置の変更範囲 | |
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正社員 | 正規従業員 |
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パートタイム・有期雇用労働者 | シニア社員 |
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シルバー社員 |
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パートタイマー |
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シニアパート |
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シルバーパート |
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パートタイム労働者・有期雇用労働者の待遇改善状況の詳細
【処遇】
上述のとおり、責任範囲や担当業務、勤務地、扶養家族等により手当を支給している。
【手当】
正社員のみに支給されている手当は、以下のとおり支給要件に該当するのが正社員のみであるため、当該手当に係る相違理由を説明できるといえる。
役割手当(等級手当、役職手当※管理職対象)、営業手当(※外回りの営業職対象)、特技手当(※業務に必要な資格保有者を対象)、地域手当(※地元採用者が都市部へ転勤した場合)、都市手当(※大都市圏で地域との物価差)、家族手当(扶養家族のある者)、単身赴任手当(担当業務の関係て単身赴任になった者)
下記の手当はパートタイム労働者の中で、該当する役職を任された場合には支給することとした。
- ・店長手当
【転換制度】
本人の希望に応じてパートタイマーから正規従業員へ転換できる制度を設けている。
- ①店舗勤務で採用されたパートタイマーが能力を評価され正規従業員に転換。その後総務部に配属され労務業務等を担当。その後再度店舗勤務に配属されて後輩の指導に当たっている。
- ②パートタイマーで採用された障害者が、後輩に指導てきる業務レベルに上がったため正規従業員に転換した。
【その他】
逆に、小学校入学前の子がいる正規従業員を対象として、短時間勤務制度を設けている。短時間勤務をしている期間は、月額給与は減少するが、退職金の算定には影響させない仕組みにしている。
取組による効果
各現場の状況や各種意見も参考にして、社会保険労務士との毎月の打ち合わせも20年以上継続し、女性やパートタイマー、障害者等が働きやすい職場環境づくりを進めてきた。
その結果、同一労働同一賃金も含めた働き方改革に自然と対応できただけでなく、愛社精神が高く再雇用希望者がほぼ100%と従業員が辞めない良好な労働環境が作られ、労務面での強みとなっている。