取組事例(2023年)

株式会社コヤマ・システム

基本情報

業種 情報通信業
都道府県 香川県
社員数
(2023/03時点)
正社員:16名(うち、定年退職後継続雇用:2名)
パートタイマー:6名
事業概要 「作り易いソフトよりも、使い易いソフト」を営業理念に、ITによる顧客価値向上(創造)を支援。
組み込み型を中心としたソフトウェア作成・それらの関連事業

取組を行った待遇

基本給
賞与
手当
退職金
福利厚生
休暇・
休職制度
教育訓練
その他

PDFデータ

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取組のポイント・概要

背景

「同一労働同一賃金」という考え方と“世の中の流れ”に後押しされて、取組を検討

取組

賞与に対する均衡待遇と慶弔休暇の有給化など休暇・休職制度の均等待遇を主とした取組

待遇 パートタイム労働者・有期雇用労働者に対する支給状況
取組前 取組後
賞与 パートタイム社員には支給なし 1回あたり最高5万円まで支給
慶弔休暇 パートタイム社員は無給扱い 正社員と同様に有給での適用
退職金 パートタイム社員には支給なし 無期雇用、60歳未満のパ-トタイム社員にも正社員と同様に、中退共に加盟し、会社負担で積み立てる。(2023年4月~)

効果

  • ・雇用区分にかかわらず、すべての社員にとって「様々な働き方ができる会社」という安心感の醸成。
  • ・女性比率が増えた。

取組の詳細

取組に向けた検討プロセス

  • ・「同一労働同一賃金」という考え方に納得感があり、“世の中の流れ”にも後押しされ取組を検討した。
  • ・同社の社員は下表のような状況。「同一労働同一賃金」はパート社員を対象に検討。

図表 雇用区分と主な職務内容等

雇用区分の名称
(人数)
主な職務内容、配置の変更の範囲等
正社員
(16名)
  • ・システム開発:14名
  • ・営業:1名
  • ・総務:1名
うち定年後継続雇用者2名
(1名は営業職、1名は技術者。後輩の指導なども担当)
65歳までの雇用延長を原則とするが、業務もよくわかっているので「働ける人・働きたい人は、できるだけ」の考えのもと無期雇用で継続勤務
パートタイム・有期雇用労働者 パート社員
(6名)
  • ・正社員の補助業務を担当。3部門のチームメンバーとして「システム開発・プログラム作成の補助業務」・「物品の購入・製品の出荷・事務的業務」などを担当。
    ※正社員の業務とは明確に切り分け
  • ・勤務時間は4時間・5時間など
    短時間のため、子育て中のパート社員が大半である。
  • ・原則、無期雇用だが、双方合意の上、まずは有期雇用でスタートする場合もあり、雇用区分・形態は臨機応変に運用
  • ※事例
    2月に入社した1名(28歳)は「プログラムを勉強したい」との理由で入社、仕事の適性を本人が見極めるため「8時間勤務・1年契約」で採用。1年後に契約社員のままとするか、正社員となるか、期間満了とするかを確認予定。
  • ・制度導入時の労使コミュニケーションについては、労務管理の専門用語などもあり1回ではなかなか伝わらない内容であったため、正社員・パート社員全員が出席する全体会議や通知・通達などで、時間をかけて丁寧に周知を実施。
  • ・パートタイマーの契約更新の際には1対1で話をする機会を設けているため、その場も活用している。

パートタイム労働者・有期雇用労働者の待遇改善状況の詳細

【取組の概要】

「同一労働同一賃金」については、賞与支給と慶弔休暇の有給化などを重視し取り組んだ。

【キャリア】

  • ・以前から、パート勤務の本人が希望すれば、フルタイム正社員に転換している。
    給与等については、転換の際に自社の正社員水準で処遇している。
  • ・制度創設以降、パート社員から正社員への転換実績は女性2名。うち1名は現在、役職者となっている。
  • ・役職者への登用・任用は、会社が定める研修の修了が条件となっており、ご家庭の事情などで受講できるかどうかのハードルはある。

【基本給】

  • ・基本給は、正社員・パート社員とも「年功序列」の考え方で、毎年いくらか上げることはあっても下げることはない。
  • ・基本は「年功給」。年齢とそれに伴う本人の生活を維持できる水準などを総合的に判断して処遇している。

【賞与】

■正社員
  • ・正社員の賞与は、夏・冬とも「基本給の1か月」を約束(保証)し、業績に応じて上積みして支給している。
    賞与の支給目的は賃金の後払い的性質であり、正社員には基本給の14か月分で生活設計をするようにと話をしている。
  • ・冬の賞与は、11月までの給与合計(年収)を見て、同じような年齢の他の正社員とのバランスを考慮して支給額を調整して決定している。
  • ・正社員の賞与は「本給+家族手当(配偶者・子ども)+役職手当」を基礎に算定している。
■パート社員
  • ・もともとは支給していなかったが「同一労働同一賃金」の視点から支給するように制度を改定。
    雇用契約書に「1回当たり最高5万円まで」支給する旨を明記している。正社員と差を設けている理由は職務内容や職責等の違いから計算の元となる基本給も正社員とパート社員では異なっているため、賞与の金額については差を設けている。
■業績賞与
  • ・夏・冬賞与以外に「業績賞与」の支給あり。9月の決算期辺りに予想された経常利益の4分の1を賞与原資として、正社員・パート社員ともに会長裁量で適正に配分

【退職金制度】

  • ・正社員は中退共に元々加入している。(60歳で積み立ては停止する)
  • ・2023年4月から無期雇用、60歳未満のパート社員にも正社員と同様に、中退共に加盟し、会社負担で積み立てる。

【休暇・休職制度】

  • ・パート社員の「慶弔休暇」について、従前は無給であったが今般の取組で有給とした。なお、付与日数は正社員、パート社員ともに同日数である。
  • ・年次有給休暇の付与についてはパート社員も正社員と同じにしている。勤務時間にかかわらず6か月たてば10日の有給休暇をつけている。
  • ・年次有給休暇は、正社員もパート社員も「半日休」・「2時間休」の取得ができるようになっている。
  • ・パート社員も正社員と同様に「年次有給休暇の計画付与」の対象としている。
    同社ではお正月の休暇をその対象としている。

【教育訓練】

  • ・正社員・パート社員の区別なく研修受講の機会がある。研修はオンライン形式で、勤務時間中の受講を可としている。
  • ・パート社員・正社員が一緒に参加する勉強会があります。月に2回A班・B班に分かれて勤務時間内の1時間に会社が指定する本を読んでディスカッションをすることは、お互いをよく知るコミュニケーションの機会にもなっている。

取組による効果

  • ・様々な働き方が選択肢として増えたことで育児等を理由に退職する女性が減り、女性比率が高まった。
  • ・様々な時間で働けるようになってきたことで、正社員も例えば病気や介護など「自分になにかあったとき」にも、会社は多様な働き方で対応してくれるという安心感の醸成につながっている。

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