取組事例(2020年)

東京エレクトロン株式会社

基本情報

業種 製造業
都道府県 東京都
従業員数
(2020年10月時点)
正社員:1,596名
パートタイム・有期雇用労働者:97名
事業概要 1963年に創立。半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の開発、製造販売を通じて、IoT、ビッグデータ、人工知能の普及、次世代通信規格5Gの導入などによりますます加速するデータ社会において、産業の基盤を生み出し、技術革新を支え、さまざまなエレクトロニクス機器の進化を可能にしている。

取組を行った待遇

基本給
賞与
手当
退職金
福利厚生
休暇・
休職制度
教育訓練
その他

PDFデータ

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取組のポイント・概要

背景

今後、さらなる市場及び事業拡大が想定される中、当社の企業文化や技術を熟知する方々の活躍機会がグローバルレベルで広がっている。自らの経験とスキルを活かし、高いモチベーションで働き続けたいと思っていただけるよう、従来の定年再雇用制度を見直し、職責に応じた基本給、貢献度に応じた賞与を支給できるよう、2017年以降、継続的に制度の改良改革を進めている。

待遇 パートタイム労働者・有期雇用労働者に対する支給状況
取組前 取組後
基本給 定年後再雇用者
<定年時:幹部社員>
再雇用初年度は定年時基本給の約7割相当額
再雇用3年目時点で正社員の基本給の約5割程度
<定年時:一般社員>
職責に応じ、25万円、20万円、15万円のいずれかを適用
業務内容や職責をベースとしながらも、さらに高度専門職等への個別設定も可能にする等級制度に改良した。
賞与 定年前の社員と異なる、独自の賞与テーブルで運用 定年前社員と同様に、業績連動の賞与テーブルの適用を開始した。会社業績および個人の業績がフェアに賞与に反映される仕組みに改良した。

効果

資格等級制度を改良し、業務内容や職責に応じたレベル設定を行えるようにしたことで、定年後再雇用者だけでなく、全社員のモチベーションおよび生産性向上に繋げることができた。

取組の詳細

取組に向けた検討プロセス

2017年の制度改革前は、定年(60歳)をもって、①再雇用制度に基づく雇用、もしくは、②業務委託契約を締結(レポート提出業務等)という2択であった。
さらなる市場及び事業拡大が想定される状況のもと、すべての社員が持てる力を最大限に発揮いただくことが求められている。定年再雇用制度を見直すことで、社員エンゲージメントをさらに向上させることに注力した。
ステップ1として、2017年には、正社員と定年後再雇用者の資格等級制度の両方を見直し、業務内容や職責に応じた等級レベルの設定を行った。これに応じて基本給の調整も行った。変更に際し全社員にアンケートを実施したところ、98%の社員からの支持を得ることができた。
ステップ2として、2020年には賞与の支給方法の見直しを行い、定年後再雇用者の賞与を正社員と同じく業績連動賞与とした。
上記の制度変更時には、内容を社内規程に明記するとともに、労働者代表への説明を実施、問題なく同意を得ることでスムーズな移行が完了した。

待遇の改善状況の詳細

○基本給

取組前: 幹部社員で定年を迎えた1年目に一律定年時の7割支給、3年目に5割支給、一般社員で定年を迎えると、職務内容ごとに一律25万円、20万円または15万円の選択制支給となっていた。
取組後: 定年後再雇用者のレベル設定から再検討し、レベルに応じた賃金がその職責に見合う形で支給されるようになった。結果、レベル評価によっては定年後に支給額が上がる人、下がる人が出てきたが、全体として社員のやる気と職責アップにつながり、前述の選択制の人件費総額と比較して、平均的に金額は増額することとなった。

○賞与

取組前: 定年後再雇用者に対しての評価は行っていたが、貢献度合いによってメリハリのつきにくい内容となっていた。
取組後: 2017年の改正時に、個人目標の達成度とコンピテンシーの発揮度を絶対的な目線で評価するなど改訂し、貢献度合いによってより一層の報酬を得られる制度とした。但し、この時点では支給基準には定年前の社員と多少の差異があった。
2020年の改正時に、完全に定年前の社員と同一の支給基準とした。

取組による効果

  • ・当初の目的であったの定年後再雇用者だけでなく、全社員のやる気とモチベーションがアップし、労働生産性が高まった。制度改革をスタートしてから営業利益がこれまで以上に増え、グループ全体で2019年3月期には過去最高の売上高(1兆2,782億円)となった。
  • ・特に賞与を同一基準で支給する例は他に見ない改革であるので、今後はさらに社員の士気が高まることを期待している。

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