取組事例(2020年)
A社
基本情報
業種 | 小売業 |
---|---|
都道府県 | - |
従業員数 (2020年2月時点) |
約12万人 (うちパートタイム・有期雇用労働者は約10万人) |
事業概要 | サービス、物販 |
取組を行った待遇
基本給 | |
---|---|
賞与 | |
手当 | ○ |
退職金 | |
福利厚生 | |
休暇・ 休職制度 |
○ |
教育訓練 | |
その他 |
取組のポイント・概要
背景
パートタイム・有期雇用労働法への対応に当たり、まずはどのような待遇差があるのか点検した上で、各待遇の目的を整理し、不合理な待遇差となっていないかを確認。さらに、待遇に関するマニュアル等の作成や、賃金(基本給、昇給、賞与など)の決定方法などの人事制度を周知するなど、従業員にとってわかりやすい制度の整備を行っている。
待遇 | パートタイム労働者・有期雇用労働者に対する支給状況 | |
---|---|---|
取組前 | 取組後 | |
通勤手当 | パート社員(パートタイム・有期雇用労働者)には上限の範囲内で支給。 | パート社員の通勤手当の上限を撤廃。 |
慶弔休暇 | パート社員は制度の対象外。 | 契約期間が一定期間を超えるパート社員に対して、正社員と同様に慶弔休暇制度を導入。 |
効果
手当や休暇制度の待遇改善により、パート社員の離職防止、継続勤務にも寄与するものと期待している。また、待遇改善したことにより、パート社員募集の際にアピールできるようになり、採用における優位性が向上した。
取組の詳細
取組に向けた検討プロセス
パートタイム・有期雇用労働法への対応に当たり、まずは、従業員の職務等の整理と待遇の点検を行った。基本的な業務を全て洗い出し、従業員の区分・職位・資格ごとにどのような業務に就くのか整理した。また、同一労働同一賃金ガイドラインや厚労省のマニュアル等を参考にし、誰と比較するのか、どのような待遇差があるのか、各待遇の目的は何かを整理。裁判例や事例集を参照しながら、改善が必要な待遇を選定し、見直しを実施した。労働組合とは、同一労働同一賃金の取組に特化して定期的に協議を重ね、認識の共有を図った。1年かけて対応を進めた。
また、パート社員に正社員との待遇差の内容や理由について説明する際に活用できる、職務内容(従業員区分ごとの業務や役割)や人材活用の仕組みの違いを整理した一覧表を作成した。パート社員からの照会に対応できるよう、マニュアルとして運用している。さらに、雇入れ時の説明内容を記載したマニュアルも別途作成して各店舗に配布しており、店舗数が多い中、待遇に関する説明義務について、統一的な対応を図っている。
待遇の改善状況の詳細
○通勤手当
正社員は通勤手当に上限はなかったが、店舗の近隣地域から採用するパート社員については、3万円を上限とし、その範囲内で通勤手当を支給していた。通勤にかかる費用は正社員もパート社員も同じであることから、パート社員の通勤手当の上限を撤廃した。
○慶弔休暇
正社員とパート社員では、1か月の所定労働時間に2~3倍程度の違いがある月もあることや、パート社員はシフト制勤務であり、シフトの調整で対応できるものとして慶弔休暇の対象外としていた。しかし、慶事・弔事は雇用形態によって差があるものではないことから、パート社員にも正社員と同様の慶弔休暇制度を導入した。
取組による効果
手当や休暇制度の待遇改善により、パート社員の離職防止、継続勤務にも寄与するものと期待している。また、待遇改善したことにより、パート社員募集の際にアピールできるようになり、採用における優位性が向上した。