パートタイム労働者の活躍推進の取組を発信(宣言)

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2016年09月21日公開

平成28年度「パートタイム労働者活躍推進企業表彰」
優良賞(雇用均等・児童家庭局長優良賞)

受賞メダル

継続的に働きやすい環境を整備し、優秀なパートタイム労働者の戦力化を図る 株式会社AOKI

パートタイム労働者の職務内容

メンズ・レディスアイテムの接客・販売

取組の背景

1990年代前半に当社の正社員比率が7割を超え、人件費の増加が課題となっていた。その後の景気後退とともにコスト削減が必至となり、パートタイマーを積極的に活用するようになった。
現在では、パートタイマーは店舗の第一線でお客様にサービスを提供する重要な人財であり、当社では大切な戦力である。彼ら・彼女らのモチベーションの向上・維持、また、長期的なお客様との良好な関係性の維持・構築のために積極的な取り組みを行っている。

取組分野

  • 賃金
  • 人事評価・キャリアアップ
  • 正社員転換推進措置
  • 福利厚生・安全衛生
  • ワーク・ライフ・バランス

取組内容(取組分野で選択した分野について記載)

パートタイマーに新規雇用区分を設置し、能力・意欲がある者を登用

従来、パートタイムで働くことのできる雇用区分はパートナー社員のみであったが、2015年「コミュニティ社員」という職務内容をレベルアップさせた雇用区分を新たに設置した。
コミュニティ社員を導入した理由には、①販売や商品の陳列だけでなく、店舗運営のサポートや店長不在時の責任者になりたいという能力・意欲のあるパートナー社員のために、勤務地を限定したまま、職務内容をレベルアップさせた雇用区分を新設し、モチベーションの向上を図る、②正社員やエリア社員が育児や介護等の理由により、働き方が制限される時期の受け皿としての機能を持たせる、という2つの狙いがあった。
パートナー社員からコミュニティ社員への転換は、本人が希望すれば、エリアマネージャーの判断によって可能となる。転換試験はなく、日頃の行動面の評価を重視し、能力・意欲のあるパートタイマーであれば、積極的にコミュニティ社員に転換している。これまでに転換申請を行った者は、ほぼ全員がコミュニティ社員に転換した。現在、コミュニティ社員は40名で、そのうち39名がパートナー社員からの転換者である。今後は400名規模に増員を図りたいと考えている。


賞与・退職慰労金の支給

パートタイマーについても正社員同様に年2回(7月、12月)の賞与、及び年1回(7月)の決算賞与が数千円~数万円の範囲(金額は会社及び店舗の業績によって異なる)で支給される。また勤続3年以上の者には、退職慰労金制度が適用され、所定労働時間に応じて支給している。


全体の生産性向上を重視した人事評価制度

パートタイマーに対し、半年に1度(上期、下期)人事考課を実施している。
評価内容は「基本姿勢」と「基本業務」から構成されており、お客様に対する姿勢、本人の身だしなみ、報連相、勤怠状況、コミュニケーション等約20項目の評価項目が設定され、それぞれ5段階(A、B+、B、B-、C)で評価する。
基本的に行動面の態度評価を重視しているため、個人売上成績については、評価項目には含まれるもののウエイトは低い。その理由としては、店舗全体の生産性を向上させるためには、チームプレイ(例えば、ある社員が接客中に他の社員が効率良く片付けるなど)が大切であるという考え方が根源にある。社員間の助け合いやお客様に対する良い接客態度が結果として、店舗全体の生産性に結び付くことを重視し、行動評価のウエイトを高く設定している。上期、下期の総合評価を基に、翌年度の昇給額(数円~数十円程度)が決定する。
人事考課のフィードバックは、エリアマネージャーが行っており、評価結果とともに翌年度の昇給額を本人に伝えている。
多様な報奨金制度を用意し、パートタイマーの働きに報いる環境を整えている。

また、報奨金制度についても、正社員同様、パートタイマーにも適用される。特に①「個人売上高報奨金制度」では、パートタイマーに還元する報奨金の割合は、正社員よりも高い。その理由は、勤務時間の短いパートタイマーが正社員と同じ販売高を稼ぐということは、「生産性が高い」と認識しているためである。
また、裏方業務(裾上げ後のパンツと上着をセットするなど)を担当するパートタイマーに対して還元する報奨金制度も設けており、縁の下の力持ち的存在を全社員が認識し、評価している。


ユニークな表彰制度

モチベーション維持と向上のため、表彰制度も充実している。中でも1年間の個人の販売成績やお客様満足度、会社への貢献度等に応じて表彰される「年間表彰式」では、受賞者の家族を招き、家族の前で社長が表彰するというユニークな表彰式を開催している。表彰者の2割~3割がパートタイマーである。
その中でもユニークな表彰として、パートタイマーのみが表彰される「人時(にんじ)生産性大賞」があり、時間当たりの生産性の高いパートタイマーが表彰される。そのほか、感謝の手紙等でお客様からたくさんお褒めの言葉を頂いた社員には、「顧客満足大賞」が、リピーター(固定客)をたくさん作った社員には、「固定客大賞」等、計15種類以上の表彰が実施されている。


柔軟な働き方を選択できるギアチェンジパッケージ

当社は、2014年9月に「ギアチェンジパッケージ」という制度を導入した。「ギアチェンジパッケージ」とは、ワークライフバランスのさらなる向上を図るために、個人の事情(介護・看護・育児等)を考慮し、本人の申請により一定期間柔軟な働き方を選択できる制度である。また、その事情が解消した時には、再び元の社員区分に戻ることができる制度でもある。この制度を活用すると、働き方の「シフトアップ」、「シフトダウン」を自らの希望により選択できる。
育児・介護等の理由により働き方をシフトダウンしたいと希望する社員は、ギアチェンジ申請によって、最大3年間は現在の社員区分と職位を維持したまま、勤務地や勤務時間等を限定して働くことができる。その後3年経過しても、限定する理由が消滅しない場合には、正社員からエリア社員に転換することができ、さらに勤務地や職務内容もより限定したいという社員は、コミュニティ社員もしくはパートナー社員に転換することもできる。このギアチェンジパッケージは、多様な働き方が選択できる制度として、社内では好評である。


ギアチェンジパッケージを利用した正社員転換

パートナー社員が職域を広げ、エリア社員への転換を希望する場合には、人事考課の際に“期待通りの成果を出している”という評定の「B」以上を取得していることが条件となる。この条件を満たした希望者は、地域を統括するエリアマネージャーと面談を行い、将来の希望や勤務条件(勤務地域範囲や休日等の労働条件変更部分)の確認手続きを経て、エリア社員に登用される仕組みとなっている。また、エリア社員から正社員になるには、エリア社員としての働きぶりが評価され、本人の希望と上長の推薦があれば、面接試験を経て、正社員に転換する仕組みとなっている。


法定水準を上回る育児休業制度で育児と仕事の両立を支援

パートタイマーについても、正社員同様に法定水準を超える2年間の育児休業を認めている。現在は、全体で70人の従業員が育児休業を取得しているが、そのうち30~40名はパートタイマーである。
また育児休業後の時間短縮勤務についても手厚く、法定水準を超える「小学校1年生4月末まで」時間短縮勤務を可能としている。今後はさらに「小学校4年生4月末まで」若しくは「中学校1年生4月末まで」の期間について時間短縮勤務を拡充していく方向である。


一度離職しても復帰できるジョブリターン制度

2015年1月、一度退職した社員が5年以内に復職したいと希望すれば、元の社員区分の範囲に戻ることができる「ジョブリターン制度」を導入した。導入から1年半が経ち、現在も月2名程度のペースで復職する社員がいる。もちろんパートタイマーについても当該制度は適用される。
人手不足状態に陥りやすい店舗にとって、当該制度は優秀な人財を「確保する」有用な手段と受け止められている。

工夫した点・苦労した点

店舗でスタイリストとして活躍する方々の半数以上は、パートナー社員である。パートナー社員の皆さんが、やりがいをもって接客・販売に従事できることや、正社員と同等以上のパフォーマンスを発揮していただけるために、人事制度やキャリア制度の構築など、自身のキャリアを描いて働ける環境の整備を慎重に設計しました。

取組の成果・課題

「ギアチェンジパッケージ」や「ジョブリターン制度」の導入により、働き方の多様性が広がったため、正社員にとってもパートタイマーの位置付けが受け入れやすくなった。また、各人の諸事情に合わせて柔軟に対応できる勤務形態を可能にした当該制度は、多様な働き方を実現でき、雇用の継続性、安定性を確保する上で有用な制度と感じている。
コミュニティ社員やパートナー社員は、近隣地区に住んでいる主婦層が大半を占め、地域に根付いている者が多い。今後は、パートナー社員の勤務地を一店舗に限定にするなど、馴染みのお客様の顔が分かる販売スタッフを増やし、地域密着型の店舗づくりを目指していきたいと考えている。

今後の取組方針

今後は、従業員自身がやりがい、生きがいをもって長く安心して働ける職場環境づくりを進めるため、有期契約社員(エリア社員、コミュニティ社員、パートナー社員を含む)を無期契約に転換をしたり、限定正社員や短時間正社員等の社員区分の新設、また退職金制度等の処遇についても拡充を検討していきたい。