パートタイム労働者の活躍推進の取組を発信(宣言)

パート労働者活躍企業宣言サイト

企業宣言ページ

2016年03月17日公開

正社員と同等の処遇・福利厚生により、パートタイマーのモチベーションアップを図る 丸善運輸倉庫株式会社

パートタイム労働者の職務内容

おもに流通加工部門に従事し、商品の検品・仕分け、ラッピングや袋詰め・梱包などを担当している。

取組の背景

今から10年前、事業の急速な拡大に対応するため、パートタイマーにも得意先の担当を任せるようになり、高い業務遂行能力と一定の責任が求められるようになった。そこで、現社長である当時の専務の判断で、能力や責任感、正社員として働き続けたいという強い意志を持ったパートタイマーを、正社員に転換させていたが、これをより納得性の高いものとするため、平成25年9月から就業規則に規定し制度化した。
現在では、当時の考え方に加え、「人材は人財」との考え方にもとづき、①パートタイマー本人の意向を最も重視し、ワーク・ライフ・バランスを考慮した働き方を取り入れること、②正社員を希望するものには、キャリアアップ制度を活用し、計画的に正社員転換を図ること、③福利厚生については、法定を上回る健康診断の実施、慶弔休暇など正社員と同等とすることを重視している。

取組分野

  • 労働条件の明示・説明
  • 賃金
  • 教育訓練等の能力開発
  • 人事評価・キャリアアップ
  • 正社員転換推進措置
  • 福利厚生・安全衛生
  • ワーク・ライフ・バランス
  • 職場のコミュニケーション等

取組内容(取組分野で選択した分野について記載)

<正社員等転換制度>
希望するパートタイマーは所属長の推薦により筆記試験と面接を受け、合格することで正社員に転換できる。また、有期雇用のパートタイマーが無期転換できる制度もある。併せて、職務等級ごとの評価基準を具体的に示すことでパートタイマーのモチベーションアップも図っている。

<充実した労災上乗せ補償給付の適用>
配送及び倉庫管理の業務は、十分な安全対策を施してはいるものの、一般事務作業に比べると労働災害発生のリスクが高い。そうした作業条件の下で従業員に安心して仕事に集中してもらうため、労災上乗せ補償給付規程を設けている。これは、正社員だけでなく、繁忙時に臨時的に雇用されるパートタイマーも含む全ての従業員に適用されている。
具体的には、パートタイマーも正社員と同様に、業務災害での死亡時には3,000万円(非世帯主の場合)、通勤災害での死亡時には1,000万円(同)を補償額としている。後遺障害については、1級から14級まで(3,000万円から120万円)、その他に休業補償(3,000円/日)も適用される。このように、万一の場合の手厚い補償制度を設けることで、安心して業務に邁進できる環境作りを図っている。

<正社員と同等の福利厚生制度>
短時間労働のパートタイマーにも健康診断を実施し、パートタイマーを含むすべての従業員に労災上乗せ補償給付規程を設けるなど、福利厚生はすべて正社員と同等となっている。

<ワークライフバランスを考慮した雇用形態>
労働時間・社会保険加入の有無をパートタイマーに選択させている。また、病気での欠勤などやむを得ない事情があった場合は、事後に年次有給休暇への振替を可能とするなど、年次有給休暇を取得しやすい環境にしている。さらに、パートタイマーにはワーク・ライフ・バランスを大切にする人が多いため、各自が就業時間内に業務が完了するよう計画性ある業務遂行を意識させ、残業を発生させないようにしている。

<正社員との均衡に配慮したその他の施策>
○労働条件の明示
労働条件については、別途パートタイム労働者就業規則に明文化し、周知することで、パートタイマーが安心して働く風土を醸成した。
○退職金の支給
退職金は、「退職時の時給×在職期間を通じた平均総労働時間数×支給倍率」により、勤続年数に応じた支給倍率を適用して支給している。支給倍率は、正社員と同じ勤続年数別支給倍率で退職金規程に基づく。
○パートタイマーの働きや貢献に見合った賃金や諸手当の支給
繁忙期に採用した臨時のパートタイマーを管理する職務に対して、リーダー的存在を担うことに対する貢献度に応じた手当を支給している。
○自己啓発費用の援助
自己啓発のためであっても、資格取得などに対する費用は、本人の申告に応じて会社が全額援助している。
○社員食堂の利用
社員食堂を設置し、正社員もパートタイマーも休憩時には自由に利用できるようにしている。これによって、正社員とパートタイマーとの間のコミュニケーションもよくなっており、例えば、各部門の業務進捗状況をこの場で共有することで、部門を超えた協力関係が生まれ、業務効率アップにもつながっている。
○規定外の休憩時間の奨励
休憩は、就業規則や労働条件通知書には正午から午後1時までの1時間と規定しているが、それ以外にも作業効率向上と安全衛生上の観点から、午前と午後に各自15分ずつ取ることを奨励している。その時間も、正社員と同様に労働時間として取り扱っている。
○マニュアルに基づくOJT
流通加工事業の拡大に向け、パートタイマーにとっても商品知識の習得が不可欠となっているため、正社員が作業マニュアルに基づき、OJTでパートタイマーを育成している。
○提案の受け入れ
パートタイマーからの提案は管理部が窓口となり、管理部長が短時間雇用管理者として、意見要望を積極的に受け入れている。例えば、軽作業に伴う腰痛対策としてパレットでの作業を廃止し、女性の身長に配慮した作業台を新たに設置するなど、パートタイマーからの提案がきっかけで具体的な成果があがっている。
○懇親会
職場のコミュニケーション、親睦を図るため、年に1~2回、主に配送部門と倉庫部門が中心となり、土曜日の夕方に、会社でバーベキュー大会を開催しており、これにはパートタイマーも多くが参加している。

工夫した点・苦労した点

労働時間、社会保険の加入の有無など、パートタイマーに選択させ、ワークライフバランスに配慮した勤務制度とした。また、職務内容や責任の度合いは異なるものの、正社員とパートタイマーの区別をつけることはむしろ不自然と考え、基本的な処遇は正社員とすべて同等とした。

取組の成果・課題

正社員とパートタイマーとの壁を、制度面からもなくすことを目的とした様々な施策を展開し、パートタイマーの定着率は高まっている。また、正社員とのコミュニケーションの活性化に注力していることで、正社員・パートタイマー、それぞれの中でも、両者の間でも、気軽に相談できる関係ができている。これによって、高齢者、障がい者、主婦、育児介護に従事する方など、多様な人材の活用が可能となっている。また、経営トップが一人ひとりの人柄、人間性を尊重していることも、従業員の一体感の向上に寄与している。
以上の結果として、パートタイマーの主体性とモチベーションが高まり、それが業務効率向上につながっている。また、定着率も向上し、最長勤続年数は9年(平均勤続年数6年~7年)にまで達している。
こういった取組が、多様な事情を抱えた労働者に対する施策として高く評価され、2014年3月には、経済産業省の「ダイバーシティ経営企業百選2014」を受賞している。

今後の取組方針

今後は、正社員とパートタイマーの職務内容や責任の区分をより明確にしていくことも含めて、職務内容の再確認、役割分担、役割に応じた評価基準の活用、人材育成や教育訓練のしくみなど、さらに検討していきたい。