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ぽれぽれグループ((株)ひまわりの会・(福)うねび会)

パートタイム労働者雇用管理改善マニュアル・好事例集(訪問介護業)より

キャリアアップ研修の充実、サポートセンターのフォローで定着化を図る

3.教育訓練等の能力開発
5.キャリアアップ・
正社員転換推進措置
6.福利厚生・安全衛生
8.職場のコミュニケーション等
9.その他
所在地 奈良県 業種 訪問介護事業等
従業員数 約300名 パート労働者数 約220名
ポイント
  • 正社員と同じ月1回のキャリアアップ研修で、能力向上を支援。
  • サポートセンターの設置で、訪問介護スタッフの事務負担軽減とコミュニケーションを図る。
  • 独自の褒章制度で功労者を表彰。
  • 正社員転換制度の導入。

(1)企業概要・人員構造

同グループは、株式会社ひまわりの会(平成9年創業)と社会福祉法人うねび会(平成23年設立)からなり、県内に訪問介護事業所4か所、デイサービス4か所、グループホーム3か所、地域密着型特養1か所、ショートステイ1か所などを展開している高齢者介護事業者である。

訪問介護事業の人員配置は、責任者としての正社員1名に対しパートスタッフを配置し(人数は施設規模による)、正社員はサービス提供責任者として、ヘルパーの初回訪問に同行、および月1回の定期訪問を実施しながら、ヘルパーを管理している。

ヘルパーの働き方はさまざまで、短い人は週1日30分の方から、フルタイムに近い働き方の人まで、柔軟な働き方をしている。ヘルパーの8~9割が女性で平均年齢は56歳となっている。

正社員は異動があり賞与、退職金が支給されるが、パートスタッフはそれらがない。ただし、研修の仕組みは同様に適用される。職務内容は、正社員は通常業務に加えて管理、営業、クレーム対応等があるが,パートスタッフはヘルパー業務に専念する。

(2)取組の背景

地域の特色として、県外への就職率が高く、専業主婦率が高いことがあげられる。そのため若年者の採用は難しいが、子育てが一段落した主婦達が多く、地元の主婦達にヘルパーとして活躍してもらうことを検討してきた。訪問介護の仕事は主婦業の延長に似たところもあり、初心者であっても抵抗がなく入れること、また自分のライフスタイルに合わせて働くことができるため、地域の主婦達を採用し、子育てが落ちついた世代を中心に雇用を確保している。

一方、ほとんどが介護経験のないスタッフであるため、利用者満足の向上とサービスの質を維持させるために、社員、パートスタッフの区別なく月1回研修を実施している。

(3)取組の内容

月1回全員が必ず受講するキャリアアップ研修

正社員、パートスタッフという区別なく月1回のキャリアアップ研修を実施している。実施は本部研修センターにて月に1回、1時間で開催、同時に各事業所でテレビ会議システムを用いて見られるようにもしている。年度初めには、年間研修日程および研修内容記載の予定表が配られ、全員が研修を受講する体制をとっている。各研修の出欠はリーダーが必ず確認する。また、研修は予備日の設定もあり、当日受講できなかった場合は、予備日に同じ研修をビデオ受講することで、全員の質の向上を目指している。内容は、マナー研修、感染症等の予防知識、救急法とAED について、終末期に関する知識、事例発表等多岐にわたっている。中には外部講師が担当する講義もある。社員、パートスタッフの区別なく受講することで、会社としてのサービスの質の向上を研修で支えている。

また、今までに何の研修を受講してきたかがわかるように、研修記録のスタッフシートを個別に管理している。スタッフシートをもとに、リーダーと面談をし、自分の苦手分野がある場合には個別研修の実施も行っている。

来年度からは、隔月で介護スキル実習を行い、内閣府が推進しているキャリア段位制度に則ってアセッサーによる段位認定も進める計画である。

図表1 研修予定表イメージ(※平成25年度実績)

テーマ 講師 出欠  リーダー印
4月 19日 認知症について 外部 出・欠  ㊞
25日
5月   理念について 内部 出・欠  ㊞
 

月1回の研修は、全スタッフのスキルアップが目的だが、その他のメリットとして、毎月集まることで情報交換の場にもなっており、職場の一体感を高め、定着率の向上にもつながっている。

サポートセンターの設置による一括情報管理とコミュニケ-ション

本部にサポートセンターを設置し、ここで情報の一括管理をしている。訪問介護スタッフは、業務の報告として紙で記録を残すことと、サポートセンターへの電話連絡を必須としている。サポートセンターは、電話連絡の内容を一括記録し管理し、訪問介護スタッフの記録に係る負担を軽減している。以前、タブレット端末を導入しようとしたこともあったが、平均年齢が高く操作に習熟するのにかえって負担になることが予想されたため見送ったこともある。サポートセンターへは電話連絡のため、スタッフも気軽に連絡を取ることができ、また他の職員と直接話をすることで、書面には記載しない程度の相談や、直接業務に関係のない話もできることから、スムーズなコミュニケーションをとることができるようになった。

訪問介護スタッフの場合、利用者宅との行き来が中心になるため、コミュニケーションをとることによって、普段の仕事の不安や、孤独感等を解消することができ、定着率の向上につながっている。

中高年ヘルパーに対する褒章制度(マスター制度)

中高年ヘルパーの方々で、一定条件を満たした方に対する褒章制度(マスター制度)を導入している。これは、中高年ヘルパーが後進への指導のモデルになってもらうとともに、65歳を一つの定年の区切りとしてそれからの働き方について労使で話し合う1つの機会とすることを目的とした制度である。

対象者は、65歳以上かつ勤続10年以上のパートスタッフで、下記の基準を満たすものに10万円の旅行券をプレゼントしている。正社員には適用しない。

表彰はキャリアアップ研修の際に行い、社内へ周知をしている。

図表2 マスター制度の褒章基準

1 会社の理念を深く理解している
2 キャリアアップ研修会にも積極的に出席している
3 介護技術や知識の向上に熱心である
4 利用者からの評価、同僚の信頼が厚い

正社員転換制度

時期は不定期だが、正社員転換制度を導入している。現在の正社員の半数は、パートスタッフより本制度を利用して正社員になった者である。

主な要件として、介護福祉士の資格をもっていること、異動が可能なこと、上司の推薦があること、積極的に研修に取り組んでいること等が挙げられる。

安全衛生への取り組み

安全衛生の面では、インフルエンザの予防接種は全額会社負担にて実施をし、健康診断は全員実施している。

安全衛生への取り組み

安全衛生の面では、インフルエンザの予防接種は全額会社負担にて実施をし、健康診断は全員実施している。

(4)成果と課題

月1回の社内会議・キャリアアップ研修の実施により、会社としてサービスの質の向上を実現するとともに、社員、パートスタッフを問わず全員参加を徹底することによりフルタイム勤務できないパートスタッフも他のスタッフとのコミュニケーションをとることができ、仕事での不安を解消することができている。また、研修によって自分達の業務の幅を広げることができ、安心して仕事に取り組むことができる環境となり、定着率が高まっているといえる。

課題としては、介護報酬という人件費上の制約条件の下では、人件費を上げることが難しいため、パートスタッフの賃金が、現在は介護福祉士の資格の有無によって2段階の時給制となっており、パートスタッフのままでいた場合、経験、技術といった成果を給与に反映することができていないことである。

もう1つの課題としては、定年の問題である。65歳定年制、再雇用70歳までとしているが、本人は65歳以降も継続して働きたいと思っていても、利用者が不安に思うケースもあり、どこで契約を打ち切りとするかが問題となっている。判断基準は、利用者が不安に思わないこととし、契約更新時は十分に雇用契約書を説明し、本人との面談を重要視している。

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