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株式会社ライフコーポレーション

パートタイム労働者雇用管理改善マニュアル(平成27年度版)より

従業員が一丸となってやる気を高め、やりがいの感じられる職場づくりを進めるために、パートタイム労働者の等級制度を改定

1.労働条件の明示、説明
2.賃金・労働時間
3.教育訓練等の能力開発
4.人事評価
5.キャリアアップ・
正社員転換推進措置
8.職場のコミュニケーション等
所在地 大阪府 業種 小売業
従業員数 39,966名 パート労働者数 33,820名
事業概要 各種商品小売業
ポイント
  • 仕事のレベル上昇に見合った処遇ができるような等級制度の改定。
  • 採用後に長く働いてもらえるよう、入社直後の重点的フォローの実施。
  • モチベーションやロイヤルティの高いパートタイム労働者の正社員への登用。

1. 企業概要・人員構造

食品を中心としたスーパーマーケットチェーンを展開する同社は、明治43年に創業し、昭和36年に豊中市に1号店を出店したことを皮切りに、大阪、兵庫、奈良、京都の近畿圏と東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏を中心に254店舗1を展開している。

店舗規模によっても異なるが、同社の店舗人員のうち約7~9割をパートタイマー・アルバイト・エルダー(パートタイム労働者)が占めている。パートタイム労働者は「パートナー」と呼ばれ、店舗での商品陳列やレジ、惣菜づくり、鮮魚・精肉加工等を担当している。パートナーは就業時間に応じて、ロング(週30〜35時間)、ミドル(週25〜30時間)、エムエス(週20〜25時間)、ショート(週20時間未満)に区分されており、適用される等級制度等が異なる。アルバイトは主に学生で、パートナーの中でも勤務時間が大幅に短いか、清掃等の特定の業務に就いている。60歳以上の方はエルダーとなり、パートナーとは別の制度が適用されることになる。

パートナーは、必要に応じて本社及び各店舗が直接採用活動を行っており、基本的に部門間の異動はない。所定の勤務時間以上であれば各種保険加入の対象となり、従業員割引制度や交通費の実費支給がある。アルバイトには賞与はないが、パートタイマーは一定の等級以上になると、年に2回、人事考課結果に基づいて賞与が支給される。

1 平成27年11月現在。

2. 取組の背景

スーパーマーケットは、人々の日常生活を支える極めて公共性の高い産業であり、地域社会の生命線である。地域に支えられていることに感謝し、よりお客様のニーズに寄り添ったサービスを可能にするには、教育に力を入れ、従業員が意欲的に活躍できる土壌の実現が不可欠であるとの考えから、現場の大半を占めるパートナーの能力を最大限に引き出すために、明確で透明性のある等級制度に改定した。また、応募してくれた人をできるだけ多く採用し、長く働いてもらえるよう、入社直後のフォローをしっかり行うようにした。さらにパートナーが日々、部門運営の中心となって活躍できるよう新たな区分を導入し、パートナーの中からモチベーション、ロイヤルティの高い人材を確保することを目指した。

3. 取組の内容

等級制度の改定

パートナーにとって、今まで以上に働きがい、やりがいを感じられる職場づくりを進めるべく、従来の等級制度を見直し、平成27年5月より適用することとした。改定のポイントは大きく4つに分けられている。

1つ目は、従来0級から5級まであった6つの階層を、P1級・P2級・P3級の3階層とアソシエイト階層を加えた4つの階層に再編したことである。この改定の際に、等級の定義や部門別の等級要件を明確にし、その内容に合わせた教育制度・評価制度を構築することとした。

2つ目は、改定後の4つの階層それぞれの等級内でも昇給できる制度を導入したことである。資格給を5円ピッチで設定することにより、個人の業務習得状況や努力を処遇に反映しやすくなった。これにより、入社直後でも業務習得できた分だけ昇給できる制度となり、仕事への意欲を高めてもらえるようになった。

3つ目は、「アソシエイト」区分を新設したことである。新たな働き方の区分として、パートナーであっても、部門業務全般を主体的に実施でき、社員代行として部門運営できる人材には、昇格試験を受けてもらうようにした。アソシエイト等級に昇格した人は、「部門リーダー」という役職の任命を受けることもあり、部門リーダーは、①販売計画の作成と数値管理、②シフト計画の作成、③部門の労務管理、④人事考課、⑤作業割当の管理と作業指示、⑥チーフ会議への出席とその内容周知・指示徹底等を行っていくことが求められる。アソシエイト区分を新設したことにより、社員が配属されていない部門であっても、パートタイマーであるパートナーにより業務の遂行ができるようにした。

4つ目は、契約更新時期に合わせて、人事考課・年間評定・試験結果のフィードバック面談を実施しやすくするようスケジュールを変更したことである。具体的には、P2、P3級であれば、人事考課のための面談を年2回、契約更新のための面談を年1回、人事考課のフィードバックのための面談を年1回、それぞれの個人の雇用区分、契約内容に応じて都度実施してきたが、下表のように時期を一定にして実施するようにした。

これらの改定について説明するために、同社ではパートナー向けに説明資料を作成し、パートタイマー、アルバイト、エルダーを含めたすべてのパートタイム労働者に個別に説明を行った。

入社直後の人材の重点的フォローの実施

パートナーとして新規応募をしてくれた人材には、できるだけ同社で長く働いて活躍してもらえるように、重点的なフォローを実施するようにしている。

採用時には、本社や研修センターにて1~2日の入社時研修がある。経営理念やコンプライアンス関連の研修を行うほか、各部門の作業工程で必要な研修が実施され、必要に応じて二週間後にもう一度研修を行うなど、店舗での習得状況を確認しながら行われることもある。

店舗に配属されてからは、社員チーフが立てた教育計画に基づき、正社員もしくは部門リーダー職のパートナーがOJTによる教育訓練を行っている。新規入社後はP1級という初級パートナーの等級からスタートし、各部門別に用意されたマニュアルに基づき、業務が実施できるよう習得していくこととなる。なお、作業の習得度合については、マニュアルと連動して用意しているステップアップシートをパートナー自身と社員チーフがチェックすることにより確認される。入社直後であっても、本人のやる気を引き出すために、こまめに面談を行い、契約更新ごとに(初回は3か月終了時、その後半年ごと)ステップアップシートで業務の習熟状況に応じて細かく昇給していく。

また、同社では、入社して3か月~半年間使用するグッドライフノートを用意している。グッドライフノートは、パートナーと会社側とのコミュニケーションツールであり、パートナーが店長やチーフ・部門リーダーとやり取りをする簡単な業務日誌となっている。楽しく働けているか、不安や心配事がないか等のメンタルなことから、業務の基本事項がステップアップシートに沿って習得できているかどうか等について確認できるようになっている。本人の負担にならないように1、2行程度の記載枠に収めているが、毎日つけることで、自分が今何をすべきなのか、今後どのように進んでいくのかが一目で理解できるようになっている。その他、各種相談窓口、昇給ビジョン等も網羅しており、一冊で漏れがないようになっている。

このように、入社初期の段階で丁寧に業務についての研修、働きぶりについてのフォローを行い、時給アップという目に見える形で頑張りを評価することにより、モチベーションを高く、長く働き続けてもらうように努めている。

パートナーの意欲を引き出すキャリアアップ(昇級)制度

前述のとおり、パートナーの等級は非常に細かく設定しており、各等級間の昇給幅は5円とわずかずつではあるものの、上位の等級に上がりやすくすることにより、パートナーの意欲を引き出すように努めている。

特に入社直後のP1級については、ステップアップシートの習熟度を基に、半年毎(入社直後は3か月後)に等級の見直しが行われ、習熟度が高ければ、P1内での飛び級もあり時給の昇給幅も10円、15円と大きくなる。

また、P2以上の等級については、毎年行われる人事考課の結果を基に、昇級・降級幅が決められる。

なお、人事考課での評定は、P2級からP3級への昇格に当たっての参考にされており、昇格試験の受験に当たっては一定以上の評定が必要となる。

正社員への登用

同社には、パートナーの中で勤続年数が一定年数以上の者には、契約社員を経て正社員に転換できる道がある。年1回実施される登用試験を受け、合格したパートナーが契約社員となり、その後、契約社員から、年1回の登用試験に合格した者が正社員となる。

パートナーと契約社員、正社員の違いは、契約社員・正社員は等級に関係なくチーフになることができ、部門の異動がある。また、正社員となると全国単位での異動が求められるようになる。同社では実際に、パートナーから契約社員に転換した人、また契約社員から正社員に転換し、活躍している社員もいる。契約社員となれるような人材には、正社員への転換を目指してもらいたいと考えている。

4. 成果と課題

透明性の高い等級・昇給制度の導入と、きめ細かいOJT研修制度により、従業員の多くを占めるパートナーの意欲を引き出し、活躍を推進することができた。
パートナーや契約社員から正社員になった従業員はモチベーションも高く、会社に対するロイヤルティも高いため、より多くの社員登用を目指していきたい。そのために、各種制度改革を進め、働く側にずっと長く働いていきたいと感じてもらえる魅力ある会社にしていきたい。

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