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ソシオークグループ

平成27年度パートタイム労働者活躍推進企業支援事業(雇用管理改善)より

パートタイム労働者も重要な戦力として位置付け、社内の理念とビジョンを共有

3.教育訓練等の能力開発
4.人事評価
5.キャリアアップ・
正社員転換推進措置
7.ワーク・ライフ・バランス
8.職場のコミュニケーション等
所在地 東京都 業種 福祉
従業員数 3,720名 パート労働者数 2,720名
事業概要 社会保険・社会福祉・介護事業
ポイント
  • 体系化された人材育成制度としての社内大学制度。
  • 毎月発行の社内報によって従業員同士の助け合いのきっかけを作る。
  • みんなで心から喜ぶお祝いセレモニーで産前産後休業や育児休業からの復職を促す。
  • 年2回の表彰制度によって業務改善を図る。
  • 人事評価制度で理念とビジョンを浸透させる。

1. 企業概要・人員構造

ソシオークグループは、その前身の葉隠勇進グループの創業50周年を機に発足した。ソシオークグループは、給食サービス事業を中核に、レストラン運営事業、子育て支援事業、介護サービス、自動車運行管理事業等の展開をしてきた。同グループでは「社会の様々な課題をビジネスで解決する共益の創造経営」という考えに基づき、現在、6社(給食業務及び保育園等子育て支援事業を行う葉隠勇進(株)、自動車運行管理事業を行う(株)みつばコミュニティ、介護事業を行う(株)一葉、コンビニエンスストア「ファミリーマート」を運営する(株)ヴェルデ、障害者就労継続支援事業(水耕栽培)を行う(株)てしお夢ふぁーむ、障害児放課後デイ・サービスを運営する(株)発達支援ラボ)を傘下に置いている。人事制度等はこれらグループ内の企業共通のものとなっている。

パートタイマーの多くは主婦と高齢者であり、全員有期雇用契約である。初回の契約は最初に到来する4月10日までとし、以降1年間の契約である。雇入れ時及び契約更新時は、マネージャーが書面をもって条件を通知している。

労働時間はシフト制により管理しており、所定時間外労働は事業の性質上ほとんど無い。なお、週30時間以上勤務する者は社会保険に加入している。

正社員とパートタイマーの労働条件の違いとして、正社員は日給月給制、パートタイマーは時間給制である。また、正社員は賞与、退職金があるが、パートタイマーには無い。

2. 取組の背景

同グループ前身の葉隠勇進グループの創業者は、足に障害を持っていた。会社員として勤務していたが、当時は障害を理由に低く評価され「障害があってもなくても、男性でも女性でも、若くても高齢でも、皆が尊重される社会を創ろう」と葉隠勇進株式会社を創業した。葉隠勇進株式会社が軌道に乗り事業を拡大するに当たっては女性が活躍してきた。同グループは、食事づくり、子育て、介護等、女性が従事しやすい業務を事業化しており、女性が活躍するグループであるために、女性が働きやすい環境づくりを進めてきた。その結果、女性の社会参画、男女共同参画の視点が企業内に根付き、働く女性に対する尊敬の念が行きわたっている。

最近では、現社長は内閣府男女共同参画局の主唱する「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」の行動宣言に賛同する男性リーダーの一人として女性活躍推進への想いを発信している。

3. 取組の内容

体系化された人材育成制度としての社内大学制度

グループ各社の垣根を設けず、雇用形態に関わらず、グループの仲間として想いを共有することを大切にしていることから、各社の人材育成制度を総合的に体系化し、ソシオークカレッジ(社内大学)として設けている。学長は代表取締役であり、全従業員は入社と同時にカレッジに入学し、「ずっと学び続ける」という考え方の下、卒業は無い。大学では、パートタイマーであっても会社の理念とビジョンを共有化することを目指すとともに、階層別科目群(新入社員研修、リーダー力向上研修、管理職研修等)、共通科目群(現場力向上研修、コンプライアンス研修、コーチング研修等)、専門科目群の3科目群をバランス良く計画的かつ継続的に学ぶことにより、広い視野と深い専門性を備えた人材を育成することを目的としている。階層別科目群と共通科目群はグループ共通であり、専門科目群は事業部によって異なる。受講すべき時期の指標や入社2~3年目の先輩社員の受講例も示されており、自発的に受講しやすい仕組みになっている。パートタイマーにも受講してもらうため、社内報や社内メルマガにて告知を行っている。

各科目の講師は、社内講師のほか、外部講師を招くこともある。

カレッジという名前らしく、クラブ活動も盛んに行われている。テニス部やランニング部、フットサル部、ボーリング部等それぞれ活発に運営されており、合宿を行うこともある。社員やパートタイマーの家族もクラブ活動に参加、見学できるようにし、家族ぐるみで交流できる点も社員、パートタイマーから好評を得ている。

従業員同士の助け合いのきっかけを作る社内報

同グループでは月に1度、社内報を発行している。1か月間のグループ全体での出来事や連絡事項のほか、パートタイマーも含め全従業員の結婚や出産のお知らせもある。産前産後休業中と育児休業中の従業員へは本人の自宅に郵送しているので、出産の時期が近い者同士が連絡を取り合い、お互いの不安を解消したり、出産や育児に関する情報交換をしたりしている。

復職をみんなで心から喜ぶお祝いセレモニー

産前産後休業や育児休業を取得した場合、会社は復職を待ち望んでいると言ってくれているものの本当に復職して良いのだろうか、会社に迷惑をかけてしまうのではないか、という悩みや不安を解消し、本当に復職を望んでいたことを伝えるべく、復職の際は、役員や部長が本人の事業所に出向き、みんなで“復職おめでとう!”と伝えている。また、復職のお祝い金が正社員・パートタイマーに関わらず支給され、このお祝い金は給与規定にも明文化されている。直近1年において、パートタイマー1名が育児休業から復職している。

現場力を上げるための年2回の表彰制度

「現場力を上げる」ことを目的として年に2回、全体会議において表彰を行っている。日常の改善点に目を向け、どのように課題を解決したか、結果どのように変わったかという改善提案を現場のチームで考え、取組を報告書にして会社へ提出する。直近では、報告書の目標提出件数を大きく上回る約650件の報告書が提出されており、選考委員会において10件に絞り込み表彰する。表彰の際は、当該取組を行ったチームに対し、トロフィーと表彰状が贈られる。前回の表彰の際は、大半がパートタイマーで構成されたチームの取組が表彰された。

正社員登用制度

パートタイマーが正社員転換を希望し、マネージャーが認めた場合、事業部長が本人と面談を実施し、事業部長の判断によって正社員登用となる。

理念とビジョンを浸透させる人事評価制度

同社では全従業員を対象に、今年から人事評価制度を本格導入する予定であり、現在は試験的に運用している。パートタイマーの人事評価項目はコンピテンシーのみ4項目であり、グループの考え方、姿勢、熱意を身につけてもらう内容になっている。評価は自己評価を行った後、担当マネージャーと個別に面談を行い、評価期間の振り返りと次期の目標設定を行っている。高い評価を得られた場合は、年に1回、評価金が贈られる。正社員の場合は業務スキルに関する項目もある。

4. 成果と課題

同グループは創業以来女性に支えられてきたことから、女性が長く活躍することを前提に制度を構築したり取組を検討している。そのため、社員はもとよりパートタイマーにおいても、結婚や妊娠、出産、育児を機に退職するケースはほとんどないということが一定の成果と言える。

また、パートタイマーが同社での働きやすさを実感し、子育てが落ち着いた時期に正社員へ転換することが多く、年間約10~20名程度正社員への転換実績がある。

業務改善の取組の表彰を開始以降、主体的に取り組むパートタイマーが増えたこと、一緒に改善しようという声がけが増え職場の一体感が醸成されてきたこと、○○さん「しか」できないという業務の属人化を避け、誰「でも」代わることができる業務の共有化を図るようになり、益々業務改善への意欲が高まってきたことも成果である。

課題は、育児のみならず今後は介護も両立しなければならない時代になるので、そのために今の制度で足りるか検討が必要になっていることである。

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