不合理な待遇差をなくすための規定の整備
「同一労働同一賃金ガイドライン」の概要

このガイドライン(指針)は、正社員(無期雇用フルタイム労働者)と非正規社員(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差が不合理なものでないのか、原則となる考え方及び具体例を示したものです。原則となる考え方が示されていない待遇や具体例に該当しない場合については、各社の労使で個別具体の事情に応じて議論していくことが望まれます。

1.基本給
労働者の「①能力又は経験に応じて」、「②業績又は成果に応じて」、「③勤続年数に応じて」支給する場合は、①、②、③に応じた部分について、同一であれば同一の支給を求め、一定の違いがあった場合には、その相違に応じた支給を求めている。
2.賞与
会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについては、正社員と同一の貢献であるパートタイム労働者・有期雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。また、貢献に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない。
3.各種手当
役職手当等
労働者の役職の内容に対して支給するものについては、正社員と同一の役職に就くパートタイム労働者・有期雇用労働者には、同一の支 給をしなければならない。また、役職の内容に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない。
通勤手当等
パートタイム労働者・有期雇用労働者には正社員と同一の支給をしなければならない。
時間外手当等
正社員と同一の時間外、休日、深夜労働を行ったパートタイム労働者・有期雇用労働者には、同一の割増率等で支給をしなければならな い。
家族手当・住宅手当等
家族手当、住宅手当等はガイドラインには示されていないが、均衡・均等待遇の対象となっており、各社の労使で個別具体の事情に応じて議論していくことが望まれる。
その他
そのほか、業務の危険度又は作業環境に応じて支給される特殊作業手当、交替制勤務などに応じて支給される特殊勤務手当、業務の内容が同一の場合の精皆勤手当、正社員の所定労働時間を超えて同一の時間外労働を行った場合に支給される 時間外労働手当の割増率、深夜・休日労働を行った場合に支給される深夜・休日労働手当の割増率、通勤手当・出張旅費、労働時間の途中に食事のための休憩時間がある際の食事手当、同一の支給要件を満たす場合の単身赴任手当、特定の地域で働く労働者に対する補償として支給する地域手当等については、同一の支給を行わなければならない。

給与明細

4.福利厚生・教育訓練
  • ○ 食堂、休憩室、更衣室といった福利厚生施設の利用、転勤の有無等の要件が同一の場合の転勤者用社宅、慶弔休暇、健康診断に伴う 勤務免除・有給保障については、同一の利用・付与を行わなければならない。
  • ○ 病気休職については、無期雇用の短時間労働者には正社員と同一の、有期雇用労働者にも労働契約が終了するまでの期間を踏まえて同 一の付与を行わなければならない。
  • ○ 法定外の有給休暇その他の休暇であって、勤続期間に応じて認めているものについては、同一の勤続期間であれば同一の付与を行わな ければならない。特に有期労働契約を更新している場合には、当初の契約期間から通算して勤続期間を評価することを要する。
  • ○ 教育訓練であって、現在の職務に必要な技能・知識を習得するために実施するものについては、同一の職務内容であれば同一の、違い があれば違いに応じた実施を行わなければならない。
  • ※待遇差が不合理か否かは、最終的に司法において判断されることにご留意ください。

注意アイコン不合理な待遇差の解消に当たり、次の点に留意。

  • ・正社員の待遇を不利益に変更する場合は、原則として労使の合意が必要であり、就業規則の変更により合意なく不利益に変更する場合であっても、その変更は合理的なものである必要がある。ただし、正社員と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差を解消するに当たり、基本的に、労使の合意なく正社員の待遇を引き下げることは望ましい対応とはいえない。
  • ・雇用管理区分が複数ある場合(例:総合職、地域限定正社員など)であっても、すべての雇用管理区分に属する正社員との間で不合理な待遇差の解消が求められる。
  • ・正社員と非正規雇用労働者との間で職務の内容等を分離した場合であっても、正社員との間の不合理な待遇差の解消が求められる。

注意アイコン定年後に継続雇用された有期雇用労働者の取扱い

定年後に継続雇用された有期雇用労働者についても、パートタイム・有期雇用労働法が適用される。有期雇用労働者が定年後に継続雇用された者であることは、待遇差が不合理であるか否かの判断に当たり、その他の事情として考慮されうる。様々な事情が総合的に考慮されて、待遇差が不合理であるか否かが判断される。したがって、定年後に継続雇用された者であることのみをもって直ちに待遇差が不合理ではないと認められるものではない。

取組の手順

1 スタート
短時間労働者・有期雇用労働者はいますか?

いる

いない

2

正社員と短時間労働者・有期雇用労働者の待遇に違いはありますか?

対応の必要はありません。将来雇用の予定がある場合は、準備をしておきましょう。

ある

ない

3

注意アイコン

待遇に違いがある場合は、待遇の違いが働き方や役割の違いに応じたものであると説明できますか?

今すぐ対応すべき課題はありません。

できない

できる

待遇の違いが不合理であると判断される可能性があるので、不合理な待遇の違いの改善に向けて、取組を進めましょう。

4

労働者から説明を求められたときに待遇の違いの内容や不合理な待遇差ではない理由について説明できるよう、整理しておきましょう。

注意アイコン

単に「パートだから」「将来の役割期待が異なるため」という主観的・抽象的理由では、待遇の違いについての説明にはなりません。