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キャリアアップ事例

キャリアアップに成功した方々を紹介します。
自分の希望の働き方について、キャリアアップを目指しましょう

株式会社メトロール
松沢 由賀さん(製品部)

松沢 由賀さん

ミスを次につなげ、
「気づき」を技術力の向上に役立てる。

会社データ(2015年12月現在)
【事業内容】製造業(工業用センサの製造・組立)
【従業員の内訳】正社員50名、パートタイマー76名

キャリアアップ~STORY

努力を重ね、作業を続けることが快感に

寿司屋での接客から工業用センサの製造・組立の仕事に転身を図った松沢由賀さんは、「仕事が楽しくて仕方がないので、90歳になっても働き続けたい」と職場の仲間に笑いながら話しています。

転身のきっかけは、夫が経営していた寿司屋のポストに入っていた1枚のチラシでした。メモ書きに使おうと思って表側を見たところ、それがメトロールの求人チラシで「『はっ』と思った」そうです。近所の知人が同社でパートとして働いていたことを思い出したのです。そこで仕事内容について知人に尋ねに行ったところ、働きやすい職場だと紹介を受け、採用面接を受けることを決意しました。もちろん、製造・組立の仕事は初めてであったため不安はありましたが、面接官からの「覚えるまでは大変かもしれませんが、いずれ慣れるので、少しずつ覚えていってください」との言葉が背中を押してくれました。

入社後は、勤続35年程度のベテランのパートから仕事を手取り足取り教えてもらいました。しかし、図面を見るのは初めて、ノギスなどの治具(加工や組立の際に用いる道具)を使うのも初めて、何もかもが初めての状態で、教わったことを覚えるのに精一杯で気持ちに余裕がありませんでした。

とはいえ、一回教えてもらったことを何回も聞くことはできません。ノートに書き留めたり、ベテランの仕事ぶりやカタログを見たりして、自らで仕事を覚えるようにも努力しました。ノートは自宅に持ち帰り、復習をするとともに、どのようにしたらスムーズにできるかといった方法を書き加えるなどの工夫も重ねました。同社では少量多品種の受注生産を行っているため、基本的な技術を覚えたからといってすべての製品に対応できるとは限りません。それぞれの製品によって、製造・組立の方法が異なるのです。「日々の学習の繰り返しでした。『一日中ずっとその作業を続けることが快感』と思えるようになるまで約1年かかりましたし、その間に書いたノートは5冊になりました。」

「気づき」を活かして、作業改善に結びつける

仲間と活発にコミュニケーションをとることで、「忙しければ手伝うから言ってね」というチームワークがうまれます。

松沢さんの努力は、やがて「気づき」につながります。「職場の先輩方のコツは本当に素晴らしく、尊敬に値するし、それを学びたい。でも、先輩方の作業方法そのままではなく、こうした方がより作業しやすいのではないか」と思うことが数多く出てきたのです。

そのときに活用したのが「社内提案制度」。同社では正社員・パートに関わらず、少しでも何か気づいた点があれば社長に気軽に提案することができる仕組みを用意しています。製品のことでもそれ以外のことでもかまいません。

具体的には、職場の様々な場所にA4サイズの「気づきの用紙」が置いてあり、各自が気づきを記入後に「提案箱」に入れます。用紙が入っていればすぐに担当者が回収し、社長を含めた役員全員に配られ、役員がそれを採用するかどうかを即時に判断します。

松沢さんが初めてこの制度を利用したのは、入社2年目のことです。先輩に「こうした方が効率的に作業を進められるのではないか」と軽い気持ちで話したところ、「じゃあ、提案すればいいよ」と促されたのだそうです。しかし、初めは提案することに対して葛藤がありました。「先輩方が築き上げてきたものを変えるには勇気が必要というか、先輩方には嫌がられるかもしれない。特に女性はこだわりを持つことが多いので、なおさらだ。」

一方で、「その作業に初めて取り組む『新入り』だからこそ、見えること・分かることもある」とも考え、思い切って提案したところ、見事に採用されました。

それ以降、松沢さんは積極的に社内提案制度を利用するようになります。勤務時間中は用紙に記入する時間が取れないのでメモ書きをしておき、週末に自宅で文章にまとめたり、図を描いたりしてわかりやすく表現しています。通勤中や入浴中に突然ひらめくこともあり、現在では「皆が作業しやすいように」との想いで、年間10件程度は提案しています。

なお、年に2回の社内懇親会では「良い気づき」を提案した社員に、社長から金賞・銀賞・銅賞が贈られます。松沢さんは金賞3回を含め、毎回受賞しています。治具の改良を求めた提案では、図も添えながら具体的な治具の形状や使用方法等の細かい内容を記したところ、それが採用されたばかりか、画期的なアイディアとしてテレビでも採り上げられることとなりました。「そうすると、次回も受賞しないといけないなどと勝手に思い始め、気づきへの意識が高くなります。もちろん、表彰されることが目的ではありませんが、気づきは技術を高めることにもつながります。」

自分がつくりあげた製品は「かっこいい」

松沢さんは常に「不良品を出さないようにすること」にも意識を傾けています。その背景には、入社半年後の苦い経験があります。ある製品の納期前日に、先輩が体調を崩して急きょ仕事を休むことになりました。これまで教わってきたことを思い出しながらバタバタと作業しましたが、出荷検査で20台中7台が不良品と判定されてしまいました。上司からは「初めてだから仕方がない」と声をかけてもらいましたが、出荷担当者から怒られたこと、そして、ミスをしたというショックと悔しさで、自宅に帰ってからも涙が止まらなかったそうです。

しかし、翌日、その先輩から「顧客のところではなく、社内の検査過程でミスが判明してよかった。それだけでも救われているよ」と言われたことで、「次はミスは絶対にしない」と気持ちを切り替えることができました。

現在、YouTubeには同社の製品として松沢さんが組み立てたセンサがアップされています。「心を込めてつくりあげた製品の一つひとつが子どものようで『かっこいい』と思うように」なり、YouTubeを閲覧しながら、自身の子どもに「これはママが作ったんだよ」と自慢したりもしています。

近年は、新人パートに作業を教えるようにもなり、「自分が職場のメンバーの中心になって取り組んでいく」という気持ちが強くなりました。不良品を出さないように細かいところまで気を遣いながら、松沢さんは毎日の作業を進めています。

応援メッセージ

松沢 由賀さん

誰でもミスはこわいと思いますが、ステップアップには重要な要素となりえます。反省することは大切ですが、「こんなことはできないからもうやりたくない」とマイナスに捉えるのではなく、次につなげればいいと前向きに考えてください。

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