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よくわかる労働法

労働法に関するテーマ別の質問を
Q&A形式でわかりやすく説明していきます。

13 社会保険の適用はありますか?

パートや契約社員にも、健康保険や厚生年金保険の適用はあるのですか?

すべての法人事業所と、農林水産業など一定の業種を除く常時5人以上の従業員を使用する個人事業所は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の強制適用事業所となります。適用事業所の従業員であれば、パートタイム労働者・有期雇用労働者も一定の要件を満たせば社会保険の被保険者になります。

パートタイム・有期雇用労働者に対する社会保険の適用

資格要件 所定労働時間 1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上である者(注1) 1週間の所定労働時間又は1か月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満である者(注1)
年収 原則として年収が130万円(180万円(注2))未満 原則として年収が130万円(180万円(注2))以上
適用 医療保険 健康保険等被用者保険の被保険者 (家族が健康保険等被用者保険に加入している場合)健康保険等被用者保険の被扶養者 (家族が健康保険等被用者保険に加入していない場合)国民健康保険の被保険者 国民健康保険の被保険者
年金 厚生年金保険の被保険者(国民年金の第2号被保険者) (配偶者が厚生年金保険の被保険者の場合)国民年金の第3号被保険者 (配偶者が厚生年金保険の被保険者でない場合)国民年金の第1号被保険者 国民年金の第1号被保険者
  • (注1)1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上である者に社会保険(健康保険・厚生年金保険)が適用されます。また、4分の3未満であっても、①週の所定労働時間が20時間以上であること、②月額賃金が8.8万円以上であること、③勤務期間が1年以上見込まれること(※)、④学生ではないこと、⑤従業員数500人超の企業に使用されていること(500人以下の企業でも労使合意があれば適用対象となる)(※)の5つの条件を満たす場合には、社会保険に加入することとなります。
    • (※)年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律が令和2年6月5日に公布され、
      ・勤務期間要件の撤廃(令和4年10月施行)
      ・企業規模要件の段階的な引き下げ(現行500人超→100人超→50人超)(500人超から100人超は令和4年10月、100人超から50人超は令和6年10月施行)
      を行うこととなりました。
  • (注2)認定対象者が60歳以上である場合(医療保険のみ)、または、厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合。

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パートや契約社員の中には、「扶養から外れたくない」という人が多いけど、「扶養」とは何のことをいっているのですか?

「扶養」には、大きく「税制上の扶養制度」と「社会保険上の扶養制度」があります。ここでは、 「社会保険上の扶養制度」について、説明しますね。「社会保険上の扶養制度」には、健康保険の被扶養者、国民年金の第3号被保険者(国民年金の第2号被保険者の被扶養配偶者)があります。

健康保険における被扶養者について

健康保険では、被保険者が病気になったりけがをしたときや亡くなった場合、または、出産した場合に保険給付が行われますが、その被扶養者についての病気・けが・死亡・出産についても保険給付が行われます。この保険給付が行われる被扶養者の範囲は次のとおりです。

  1. 被保険者の直系尊属、配偶者(戸籍上の婚姻届がなくとも、事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、兄弟姉妹で、主として被保険者に生計を維持されている人
    • これらの方は、必ずしも同居されている必要はありません。
  2. 被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の人
    • 「同一の世帯」とは、同居して家計を共にしている状態をいいます。
    • 被保険者の三親等以内の親族で1.に該当する以外の人
    • 被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
    • ②の配偶者が亡くなった後における父母および子
    • 収入がある方についての被扶養者の認定基準については、【生計維持の基準について】参照
  3. 日本国内に住所を有する人、または日本国内に住所を有しないが日本国内に生活の基礎があると認められる人
    • 日本国内に住所を有しないが日本国内に生活の基礎があると認められる人とは、渡航目的などの事情を考慮し、以下のような人が定められています。
    • 外国において留学をする学生
    • 外国に赴任する被保険者に同行する家族
    • 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する人
    • 被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた人であって、②と同等と認められる人
    • ①から④までに掲げる人のほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる人
  • ただし、以下のような方は、日本国内に住所を有する場合でも被扶養者になることはできません。
  • ・後期高齢者医療の被保険者等である人
  • ・「医療滞在ビザ」で来日した人
  • ・「観光・保養を目的とするロングステイビザ」で来日した人

被扶養者の範囲図(三親等の親族図)

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生計維持の基準について

被扶養者として認定されるには、主として被保険者の収入により生計を維持されていることが必要です。認定については、以下の基準により判断をします。
ただし、以下の基準により被扶養者の認定を行うことが実態と著しくかけ離れており、かつ、社会通念上妥当性を欠くこととなると認められる場合には、その具体的事情に照らし保険者が最も妥当と認められる認定を行うこととなります。

  • 認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合
    認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となります。
    なお、上記に該当しない場合であっても、認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合には、その世帯の生計の状況を果たしていると認められるときは、被扶養者となる場合があります。
  • 認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合
    認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合には、被扶養者となります。

健康保険については年金事務所( https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/)またはご加入の各健康保険組合にご相談ください。

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国民年金の第3号被保険者について

国民年金は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のすべての人が加入するもので、老齢・障害・死亡により「基礎年金」を受けることができます。
国民年金には、「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」の3種類があり、どの制度に加入するかにより、保険料の納め方が異なります。

【第1号被保険者】
対象者:農業等に従事する、学生、フリーター、無職の人など。
保険料の納付方法:納付書による納付や口座振替など、自分で納めます。
※納められないときは、免除や納付猶予の仕組みがあります。

【第2号被保険者】
対象者:厚生年金の適用事業所に使用される70歳未満の者は、原則として、厚生年金に加入すると同時に、国民年金の第2号被保険者になります。
保険料の納付方法:国民年金の第2号被保険者は、給与や賞与に、定められた保険料率で計算した額を事業所と折半で負担します。厚生年金の保険料は、事業所側に納める義務があり、事業所は従業員に支払う給与などから、本人負担分の保険料を天引き(源泉徴収)し、事業所負担分と合わせて納めます。

【第3号被保険者】
対象者:第2号被保険者の配偶者で20歳以上60歳未満の人をいいます。ただし、年間収入が130万円(障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円)以上で健康保険の扶養となれない人は第3号被保険者とはならず、第1号被保険者となります。
保険料の納付方法:国民年金の第3号被保険者は、自ら保険料を納める必要はありません。第3号被保険者の配偶者が負担した保険料は、夫婦で共同して負担したものとの考えから、第3号被保険者に将来支払われる基礎年金の費用は、厚生年金から拠出されます。

年金については、日本年金機構にお問い合わせください。
(電話での年金相談窓口) https://www.nenkin.go.jp/section/tel/index.html

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