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よくわかる労働法

労働法に関するテーマ別の質問を
Q&A形式でわかりやすく説明していきます。

09 パートタイム労働法の中身はどうなっていますか?

パートタイム労働法って、具体的にどんな内容ですか?

パートタイム労働法は、パートタイム労働者の待遇について、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その働き・貢献に見合った公正な待遇を図るため、通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者の差別的取扱いの禁止通常の労働者との均衡を考慮のうえ賃金(基本給・賞与・役付手当など)の決定教育訓練の実施福利厚生施設の利用通常の労働者への転換推進措置などを規定しています。
そして、さらにパートタイム労働者が納得して働くことができるように、平成27年4月1日から、改正パートタイム労働法が施行されます。

通常の労働者と同視すべきパート労働者の差別的扱いの禁止(パートタイム労働法8条)

「通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者※」のすべての待遇について、パートタイム労働者であることを理由に差別的に取り扱うことが禁止されます。
※次の3つの要件(注)を満たすパートタイム労働者を指します。
通常の労働者と比較して

  • 職務(業務の内容と責任の程度)が同じである
  • 人材活用の仕組みや運用(人事異動の有無や範囲)が全雇用期間を通じて同じである
  • 契約期間が無期、あるいは反復契約により実質的に期間の定めのない労働契約である

(注)平成27年4月1日からは、①と②の2つの要件になります。

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通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者以外のパートタイム労働者の待遇について

  • (1)賃金(基本給、賞与、役付手当など)の決定(パートタイム労働法9条)
    事業主は、パートタイム労働者の賃金を決定する際、通常の労働者との均衡を考慮しつつ職務の内容、成果、意欲、能力、経験等を勘案して決めるよう努めなければなりません。さらに通常の労働者と職務の内容及び一定期間の人材活用の仕組みが同じ場合は、その同一である一定の期間は、賃金を通常の労働者と同一の方法で決定するよう努めなければなりません。
  • (2)教育訓練の実施(パートタイム労働法10条)
    事業主は、通常の労働者と職務の内容が同じパートタイム労働者に対して、職務の遂行に必要な能力を付与する教育訓練を通常の労働者と同様に実施しなければなりません。それ以外のキャリアアップのための訓練などについては、職務の内容の違いにかかわらず、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、職務の内容、成果、意欲、能力、経験等に応じて実施するよう努めなければなりません。
  • (3)福利厚生施設の利用(パートタイム労働法11条)
    事業主は、通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)について、パートタイム労働者にも利用の機会を与えるよう配慮しなければなりません。

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通常の労働者への転換推進措置(パートタイム労働法12条)

事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、その雇用するパートタイム労働者について、次のいずれかの措置を講じなければなりません。
【講じる措置】

  • 通常の労働者を募集する場合は、その募集内容を既に雇っているパートタイム労働者に周知する。
  • 通常の労働者のポストを社内公募する場合、既に雇っているパートタイム労働者にも応募する機会を与える。
  • パートタイム労働者が通常の労働者へ転換するための試験制度を設ける。
  • その他通常の労働者への転換を推進するための措置を講ずる。

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パートタイム労働法は一部改正されました(平成27年4月1日施行)

平成27年4月1日から、パートタイム労働者の公正な待遇を確保し、納得して働くことができるようにするため、パートタイム労働法や施行規則、パートタイム労働指針が変わります。(※以下、条文番号は改正後のもの)

  1. パートタイム労働者の公正な待遇の確保
    • (1)正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象範囲が拡大されました。(法第9条)
      有期労働契約を締結しているパートタイム労働者でも、職務の内容、人材活用の仕組みが正社員と同じ場合には、正社員との差別的取扱いが禁止されます。

      【正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の範囲】

      <現行>

      (1)職務の内容が正社員と同一
      (2)人材活用の仕組みが正社員と同一
      (3)無期労働契約を締結している

      <改正後>

      (1)(2)に該当すれば、賃金、教育訓練、福利厚生施設の利用をはじめ全ての待遇について、正社員との差別的取扱いが禁止される

      例えば、有期労働契約を締結しているパートタイム労働者が、職務の内容も人材活用の仕組みも正社員と同じであるにもかかわらず、正社員には支給されている各種手当の支給対象となっていない場合には、改正後は、正社員と同様に支給対象となることが考えられます。

    • (2)「短時間労働者の待遇の原則」の新設(法第8条)
      事業主が、雇用するパートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、その待遇の相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとする、広く全てのパートタイム労働者を対象とした待遇の原則の規定が創設されます。
      改正後は、パートタイム労働者の待遇に関するこうした考え方も念頭に、パートタイム労働者の雇用管理の改善を図っていただくこととなります。
    • (3)職務の内容に密接に関連して支払われる通勤手当は均衡確保の努力義務の対象に(施行規則第3条)
      「通勤手当」という名称であっても、距離や実際にかかっている経費に関係なく一律の金額を支払っている場合のような、職務の内容に密接に関連して支払われているものは、正社員との均衡を考慮しつつ、パートタイム労働者の職務の内容、成果、意欲、能力、経験などを勘案して決定するよう努める必要があります。
  2. パートタイム労働者の納得性を高めるための措置
    • (1)パートタイム労働者を雇入れたときの事業主による説明義務の新設(法第14条第1項)
      パートタイム労働者を雇い入れたときは、実施する雇用管理の改善措置の内容を事業主が説明しなければなりません。
      パートタイム労働者から説明を求められたときの説明義務(法第14条第2項)と併せて、パートタイム労働者が理解できるような説明をしていく必要があります。

      【雇入れ時の説明内容の例】
      ・賃金制度はどうなっているか
      ・どのような教育訓練があるか
      ・どの福利厚生施設が利用できるか
      ・どのような正社員転換推進措置があるか など

      【説明を求められたときの説明内容の例】
      ・どの要素をどう勘案して賃金を決定したか
      ・どの教育訓練や福利厚生施設がなぜ使えるか(または、なぜ使えないか)
      ・正社員への転換推進措置の決定に当たり何を考慮したか など

    • (2)説明を求めたことによる不利益取扱いの禁止(指針第3の3の(2))
      パートタイム労働者が法第14条第2項に基づく説明を求めたことを理由に、不利益な取扱いをしてはなりません。不利益な取扱いをおそれて、パートタイム労働者が説明を求めることができないことがないようにすることが求められます。
    • (3)パートタイム労働者からの相談に対応するための体制整備の義務の新設(法第16条)
      事業主は、パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければなりません。

      【相談に対応するための体制整備の例】
      相談担当者を決めて対応させる、事業主自身が相談担当者となり対応する など

    • (4)相談窓口の周知(施行規則第2条)
      パートタイム労働者を雇入れたときに、事業主が文書の交付などにより明示しなければならない事項に「相談窓口」※が追加されます。
      ※相談担当者の氏名、相談担当の役職、相談担当部署など

      【文書などによる明示事項】
      <労働基準法で義務付けている項目>
      ・契約期間、仕事の場所・内容など

      <パートタイム労働法で義務付けている項目>
      ・昇給、賞与、退職手当の有無
      ・相談窓口

    • (5)親族の葬儀などのために勤務しなかったことを理由とする解雇などについて (指針第3の3の(3))
      パートタイム労働者が親族の葬儀などのために勤務しなかったことを理由に、解雇などが行われることは適当ではありません。
  3. パートタイム労働法の実効性を高めるための規定の新設
    • (1)厚生労働大臣の勧告に従わない事業主の公表制度の新設(法第18条第2項)
      雇用管理の改善措置の規定に違反している事業主に対して、厚生労働大臣が勧告をしても、事業主がこれに従わない場合は、厚生労働大臣は、この事業主名を公表できることとなります。
    • (2)虚偽の報告をした事業主に対する過料の新設(法第30条)
      事業主が、パートタイム労働法の規定に基づく報告をしなかったり、虚偽の報告をした場合は、20万円以下の過料に処せられます。

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パートタイム労働法は、パートタイム労働者が働きや貢献に見合った待遇を得られるように規定が設けられているんですね。

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