2. 短時間正社員に期待する役割(職務内容等、適用期間、労働時間)を検討する

制度導入に際して、まず、短時間正社員にどのような役割を期待するのかを明確にする必要があります。短時間正社員に期待する役割を決定する上では、労働時間が短いことを考慮する必要があります。

下記に、制度の対象者や目的別に短時間正社員に期待する役割の考え方を整理しました(より詳しい内容は詳細をご覧ください)。これを参考に自社のケースについてご検討ください。まずは、どのような職務内容等を設定するかを明確にした上で、適用期間、労働時間についても考えてみましょう。

対象者、目的別にみた短時間正社員に期待する役割の考え方

NO. 対象者 主な目的 期待する役割(職務内容等、適用期間、労働時間)
1 フルタイム正社員 定着(育児支援) 制度利用後のフルタイム正社員への復帰を念頭に置いた設定
【職務内容等】
フルタイム正社員への復帰を念頭に置いて、社員のニーズやキャリア形成、円滑な業務遂行の観点等から、適切に設定する
【適用期間】
社員のニーズやキャリア形成、人材活用の観点等から、適切な期間を設定する
【労働時間】
社員のニーズや円滑な業務遂行の観点等から、柔軟に設定する
2 フルタイム正社員 定着(介護支援)
3 フルタイム正社員 定着・モチベーション向上
(自己啓発・ボランティア支援)
4 フルタイム正社員 定着(心身の健康不全対策) 健康状態に応じた柔軟な設定
【職務内容等】
フルタイム正社員への復帰を視野に入れながら、健康状態に応じて、柔軟に設定する
【適用期間】
健康状態に応じて、柔軟に設定する
【労働時間】
健康状態に応じて、柔軟に設定する
5 入職者
(外部労働市場)
新たな正社員の獲得 企業の人材ニーズを踏まえた設定
【職務内容等】
企業の人材ニーズを踏まえて設定する
【適用期間】
特に期間は設定しない
【労働時間】
入職希望者のニーズや円滑な業務遂行の観点等から、柔軟に設定する
6 高齢者 法対応・モチベーション向上
(高齢者雇用)
社員のニーズと企業の人材ニーズの双方を踏まえた設定
【職務内容等】
効果的な人材活用の観点等からは、これまでの働きぶりを考慮し、培ってきたノウハウや経験を発揮できる職務内容等を設定することが望ましい
【適用期間】
社員のニーズや企業の人材ニーズ、改正高年齢者雇用安定法等を踏まえ、適切な期間を設定する
【労働時間】
社員のニーズや円滑な業務遂行の観点等から、柔軟に設定する
7 パートタイム労働者 人材獲得・定着・モチベーション向上(パートの活用) 転換させるパートタイム労働者の人材活用方針に沿った設定
【職務内容等】
転換させるパートタイム労働者の人材活用方針に従い、転換後の職務内容を設定する
【適用期間】
特に期間は設定しない
【労働時間】
社員のニーズや円滑な業務遂行の観点等から、柔軟に設定する
8 有期契約労働者
(パートタイム労働者)
法対応・モチベーション向上(パートの活用)